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催眠暗示

「催眠暗示」

 催眠術において、非常に大きなウエイトを占めるのが暗示である。しかし、凝視法だとか回頭方等の技法に目を奪われがちで、おろそかにされがちでもあると思う。そこで、今回は暗示について再考してみたいと思う。

【暗示】あんじ (名)
(1)直接的にはっきりと示すのではなく、それとなく分かるように示すこと。また、その行為や物。
(2)〔心〕〔明治期には「あんし」〕知覚・観念・意図・行動などが、言葉その他のシンボルによって、理性に訴えることなく、伝達・受容される現象。また、そのための刺激となるもの。

(大辞林より)

 辞書的に言うと上記の通りであるが、催眠における暗示は辞書の意味とは違うように思える。例えば、

「このライタの炎を見ていると、だんだん瞼が重たくなってくる」

 催眠者が被験者にたいして求めてるのは、瞼が重くなることである。そして、言っている言葉は「瞼が重くなってくる」である。これの、どこが暗示なのであろうか? むしろ、明示であるし、指示でもある。これなら、最近全く聞かない「だんだん、眠たくなってくる」という台詞の方がよほど暗示的である。「眠たくなる」というのは、瞼が閉じてくるという比喩である。
 私が催眠術をする時は、上のような台詞は言わない。目をつぶってもらいたかったら、「瞼を閉じてください」と指示するし、深呼吸をして貰いたかったら「ゆっくりと息を吸って吐いてください」と言う。それは、大事なのは相手をトランス状態にする事であって、目を閉じて貰うことではないから。目を閉じると、視覚からの情報が遮断されるのでトランスに入りやすい。それが、そもそも目を閉じて貰う理由なのだが、それは何も誘導で閉じて貰う必要など何もない。指示して閉じて貰えばよい。どうしても誘導で目を閉じて貰わななくてはならないのなら別だが、そんなのはショー催眠以外ではあり得ない。もし、ショー以外で催眠術をやるなら、最初から相手には目を閉じて貰った方が、成功率は高いであろう。もちろん、ショーでも同じように目を閉じるのを指示してもかまわないと私は思うが。
 結局、催眠術における暗示は、暗示になっておらず、それを暗示だと思って使っている人を見ると、言葉に対して鈍感であると感じる。本当の暗示とは、もっと違うところにある。
 ただ、多くの催眠術師の言う「暗示」の定義は、実は「不随意な事を起こすための言葉」だと思う。それについては、「不随意」の時に書きたいと思う。

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