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ラポール

催眠で重要なのにラポールというものがある。催眠に失敗したら、ラポールが崩れた、というのを理由にする人がいる。確かに、その通りだと思うこともあるが、その発言をした人はラポールが何だか分かっているのだろうか? 今回は「暗示」に続き、催眠の重要な要素であるラポールについて再考してみたい。
 少し前に、誘導をする機会があった。催眠を体験してみたいから、と友人に言われ、彼のために誘導した。本来、誘導だけを目的にした誘導はしないのだが、彼にとって催眠体験は色々考える機会を与えるだろうと思い、誘導をした。
 エリクソンがデモンストレーションで使った、握手の催眠をした。方法は、握手をして、手が固まるという「暗示」をするだけである。少し特別な握手の仕方で、さらに「暗示」は「固まります」といった指示ではない。しかし、普通に見ていたら、ゆっくりと握手をして三言くらいで手が固まるのである。これまでも何度かやっていたが、その時はまだ未熟でテクニックに気をとられていたが、今回はゆっくりと観察できた。そこで気づいたのが、ラポールである。この誘導は、ラポールがないと出来ないであろう。否、すべての誘導はラポールがないと成立しないと感じた。
 催眠術のテキストで「極意は被験性の高い人にしかかけないこと」と書いたが、被験性が高い=ラポールを積極的にとってくれる人、と再定義したい。被験性が高い人は、皆相手からから積極的にラポールをとってくれるのである。だから、催眠者がラポールをとるのが下手でも誘導できるのである。これは、すごい重要なことだと思った。
 さて、ここからが本題。被験性=ラポールを積極にとる人、なのは良いとして、結局ラポールとは何なのか? 私は、ラポールとは、被験者が催眠者から受ける影響の度合いだと思う。例えるなら、小さい子どもと親の関係とか、恋人同士(ラポールのない親子や恋人同士もいる、以下から例外は言及しない)とかである。ただし、これには二つの種類あると思う。一つは、権威的なラポールである。先程の、親と子もしくは、先生と生徒みたいな関係である。尊敬している先生の行動や発言からは、生徒は影響力を受ける。もう一つのラポールは、対等な立場のラポールである。恋人同士だったり、尊敬しあえる友達だったり。
 催眠術におけるラポールは、前者を使うようである。例えば、指の開閉はトリックがあるのに、それをさも言葉通りになっているように見せて、権威をつけるのである。それにより、権威ラポールをとる。しかし、権威的ラポールは、反発する人がいる。例えば、私みたいな人間は、権威的なことをされても、何も反応しない。それどころか、嫌な気持ちになる。そう、私が現代催眠や催眠から離れていったのは、そういった権威的なラポールの取り方が嫌だったからだろう。それを先述した誘導の時に気づいた。
 権威的ラポールは、反発する人が多い。その反対のラポール――友好的ラポールとでも言おうか――をとれるようになりたい。そうすれば、100%の人を誘導できるだろうし、もっと根本的に、誘導すら必要なくなるだろう。 では、どうすれば友好的ラポールがとれるのか? これだけで、本一冊書けそうなお題である。もし、かければそのうち書きたいと思う。

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