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催眠の深さ

 リクエストがあったのと,ちょうど私自身書きたかったので,今回は「催眠の深さ」について書いてみたいと思う.
 催眠が深い方が良い,という考え方は,古典催眠のものである.運動支配は軽い催眠で,感覚支配が中程度の催眠,そして,記憶支配が深い催眠である,と言うのである.確かに,古典催眠の研究に置いて,催眠深度というのは,実際にどういう暗示に反応するかで決めていた.
 現代催眠ではどうだろう? 現代催眠は,催眠の深さというものにこだわって居ない.影響が与えられれば良いし,変化が起きれば良いのである.しかし,だからといって現代催眠に出来ることが限られているというわけではない.
 エリクソンの後期のデモンストレーションのビデオを見たことがある.後期のエリクソンは,無駄がなく一瞬で被験者を催眠に入れてしまう.しかも,古典のような儀式的な誘導ではない.誘導し始めて,数分,被験者は一度も目を閉じていないし,古典催眠の深化のような言葉もかけていないのに,幻覚を見たのである.つまり,幻覚を見るのが深い催眠だ,という古典催眠の考え方と違う現象が起きたのだ.
 それ以来,私は深化に対して考え方が変わり,幻覚を見せようと必死に深化させている古典催眠を見ると,首を傾げてしまう.得てして,そう言う人が「先生」と呼ばれたりしている,催眠業界にも,同じように傾げたくなる.

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