催眠の専門性とは何でしょうか?
催眠とはその意味もその範囲も広い意味を持っています.催眠は心理学や精神医学の分野に置いて学術的に研究がされてい
ます.催眠の専門家とはすなわち心理学や精神医学の分野の専門家で無くては成らない,と言うことも出来ると思います.それと同時に催眠誘導のテクニックだ
けできる人がいて,その人達は自分を催眠の専門家だと思っています.普通の人からみれば,どちらも催眠の専門家に見えてしまいます.これは一つの問題点だ
と思っています.
例えば,心理学の催眠専門家は催眠技術を一般の人に教えることは出来ないのです.つまり,普通の人が催眠を覚える場合は催眠だけが出来る人
――民間催眠術師と言いましょう――にしか教えてもらえないのが現状です.その状態が長く続いたため,民間催眠術師が催眠の専門家となっているのです.し
かし,心理学の催眠専門家から見れば,彼らの教える催眠にはおかしな所があったり危険なところがあったりするので,専門家とは言えないのです.
また,催眠は商売のコンテンツという側面があります.その商品価値を高めるためには,催眠を素晴らしいもの,楽しいもの,不思議なもの,特別
なものにしておく必要があるというのもひとつの事実だと思います.それ故に,心理の専門家からみたらおかしな事でも民間催眠術師は平気で言ったりすること
もあるのではないでしょうか.しかし,同時に催眠を買う消費者の側も催眠に特別なものを求めており,そこには受容と供給が一致しているのもまた一つの問題
だと考えています.
私は民間催眠術師の全てを否定する気はありません.催眠を商品としても良いと思います.しかし,それは正しい情報を適切な値段でという条件が
必要だと思います.現在の催眠業界は「うそ,おおげさ,まぎらわしい」の宝庫です.だから,私は正しい情報を広めていくと同時に,催眠を消費する人たちへ
向けて,催眠の限界を知らせていくという活動をしています.
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