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第四回 山場で頂上

前回のまとめから

さて,前回は古典催眠について色々と解説したね

はい,おもしろかったです

うん,じゃあ,少しまとめてから本題の『古典催眠のかけ方』にはいるよ

わかりました

古典催眠は,『相手が自覚できるトランスで暗示行動を起こす』という物で,それを『古典催眠にかかる』と言う.それで,古典催眠にかかる人ってのは,3割くらいだと言われている.あと,見た目には操っているように見えるけど,効果は短期な事が多いし,かかっている本人は何をしているのかはっきりと分かっている

人格変換や,幻覚についても,おもしろい説明をして貰いました

そうだったね.それで,今回は『相手に自覚して貰うトランス』の誘導の仕方だね

はい

自覚トランス誘導

トランスは誰でもそう言う状態になることが出来るけど,自覚できる物とそうじゃないものがあると言ったよね

はい,そうでした

まあ,普通に生活していたら,『これがトランスだ』と思うことはないかもしれない.ただ,名前がトランスじゃないだけで,同じ事をしていることもあるね.例えば,瞑想とかかな

なるほど.そうですねえ.私がいままでに『これがトランスだ』と自覚していたことはないと思います.前にこの講座で,映画を見ているときがトランスだと言われて,そうだったかもと思える感じです

普通はそうかもしれないね.だから,自覚トランスは大抵の人が初めて体験する事かも知れない.そこにちょっと自覚トランス誘導のむつかしさがあるかも知れないね

なるほど

うん.明らかにトランス状態になっているけど,本人が気づいていないことが催眠をやっていてある.それを気づかせることも催眠誘導であるともおもうけどね

なるほど

では,自覚トランスと古典催眠における催眠状態という事を説明しようか

はい

わかりづらいから図で説明

古典催眠は,『自覚トランスと暗示行動』だったけど,ここでまた一つ注意しないといけないのが,自覚トランスになったら,必ず暗示行動が起きるかといえば,そうではない

え? どういうことですか?

前にも言ったけど,トランスになって起きる現象には個人差がある.古典催眠では,暗示行動が起きないといけないから,そういう現象が起きる自覚できるトランス状態でないといけないわけ

もう,混乱してきましたよ

わかったわかった.図にまとめて見よう

図1

つまり,今回は古典催眠だから,自覚できるトランスで尚かつ暗示行動が起きる場合を話してるわけだね

すっきりしました

うん,で被暗示性の亢進について話そう

具体的な方法はまだですか……

もうちょっとつき合ってくださいな

はーい

被暗暗示性の亢進

被暗示性というのは,暗示に対して反応する度合いだと思って欲しい.本当は種類があったりするけど,ここでは単純に考える事にするよ

はい,催眠ショーとかでの『○○になります』みたいな暗示に反応する度合いですね

そう,で結局古典催眠は被暗示性を高めることが目的なんだな

なら,最初からそう言ってください

そうなんだけど,やっぱりトランスとも関わってくるし,省略も出来ないさ.まあ古典催眠とか催眠術だけに興味がある人に説明するときは『被暗示性の亢進』で良いと思う.けど,この講座は催眠術講座ではなくて,催眠全般を扱ってるからね

なんか,言い訳くさいですけど…….良いですよ,早く進めましょう

う,うん…….暗示に反応しやすくすると,ショーみたいに『○○になります』という暗示の通りに行動するんだけど,それをどうやって起こしているのか,その仕組みを言うよ

はい

帰属錯誤

被暗示性の亢進のために使う物に,『帰属錯誤』というのがある

それ,聞いたことありますよ! 心理学の講義で出てきました!

そうだね,心理学の話だけど,普通の人にもなじみのある例があるからそれをだすよ

知ってます.『吊り橋効果』ですよね?

おっと,さすがだね.これは,恋愛に心理学を応用するいう時に良く出てくる.吊り橋で告白すると成功率が高くなるって理論だね.これが『帰属錯誤』なんだ

私に解説させてくれませんか?

良いよ

吊り橋は不安定な場所だから,怖くて心臓がドキドキするんですよね.そして,そのドキドキの原因を,一緒にいる相手だと錯覚してしまう事があるのです.ちなみに吊り橋じゃなくても,ドキドキする状況なら応用可能です

そうだね.ドキドキの原因を吊り橋ではなく,一緒の相手だと勘違いする.これを応用して,被暗示性を亢進させるんだ

どうやってやるんですか?

うん,それには体の仕組みと観念運動について話さないといけない

まだ,話が続くんですかあ?

いや,体の仕組みと観念運動は,もう古典催眠の誘導そのものだよ

そうなんですか,じゃあ,早速教えてください

うん,わかった

体の仕組み

エリさん,そこの椅子に座ってくれるかな.

はい

背もたれに背中をきちんとつけて,足をそろえて座って

こうですか

そうそう,僕がおでこに指をおくと立てなくなるよ.立ってみて

……あれ,立てない

うん.立てないね.どうしてだか知ってる?

わかりません

これは,立つときには体重を前に移動しなきゃ駄目なんだけど,それをできないようにするから立てなくなるんだよね

へえ,そうなんですか

うん.他に指の開閉も体の仕組みでそうなってしまう現象なんだよね

指の開閉?

写真で説明しよう

写真

なるほど

こういった体の仕組みを知っていたら,あまり被暗示性は高くならないよね.逆にトリックだって分かってしまうから,かかりづらくなると思う

そうですね.知ってしまうと『なーんだ』って感じです

観念運動

観念運動は,『イメージすると体が反応する』という物だね

と,言われても分かりません

有名なのは,『梅干しを想像するとつばが出る』だね

それは,わかりますよ

他には,催眠術のイメージで良く出てくる『振り子』もこれなんだよね

へえ,そうなんですか

うん.詳しい仕組みは省略して,とにかくイメージすると体は反応するんだ.それを利用して被暗示性を高めていくね

なるほど

まとめ

古典催眠の基本は,体の仕組みと観念運動という,当たり前に起こる現象を,暗示によって起こさせるように,勘違いさせる.その勘違いは,心理学の『帰属錯誤』という心理学の理論を使うわけ

なるほど.分かったようなきがします

うん.これで古典催眠のついての説明は一山こえたから,次回は細かい技法について書いていくよ

楽しみにしています

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