解説8

「左手が着くと同時に
目を閉じて、リラックスした状態に
自分でもなろうとして下さい」

左手が膝に着く事項をきっかけに、
目を閉じさせます。これは、指示としてです。
目からの情報が無くなることで、
内的な方向へ手中が増し、
催眠状態が深まります。
そして、リラックスも指示します。
催眠に置いて、なんでもかんでも
催眠暗示で起こす必要はありません。
目を閉じさせたり、リラックスは
本人の協力を得て行えば良いと
私は思っています。

「ゆっくりで良いですよ
あせらずに」

早いか遅いかという、
程度の問題を言うことで
催眠という前提を入れると共に、
ゆっくりしろという逆説的な
指示により深い催眠状態へ誘導します。

「今までにない新しい感覚
それをゆっくり楽しみながら」

感覚が違うことを前提とし、
それを楽しむというポジティブな指示で
催眠状態の感覚を確認させます。

「自分が体験を十分に体験したら、
自分で、今ここへ戻ってきて下さい」

催眠を終えます。
相手にタイミングを任せた解催眠の暗示を使います。
許容的なエリクソンの暗示が現れている一面です。

以上で、誘導の解説は全部です。
後日、総括を書きたいと思います。

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解説7

「両手が空中の止まっていて、
そこから、さっき言ったように
グラデーションで変化が起きてくる」

カタレプシーの反応を広げていきます。
そのために、先に言っていた
グラデーションの話をします。
この話をしたのは、意図してないですが、
ここで違う話をするよりも、
最初に話した話の方が
抵抗が少ないと思い、グラデーションの話を使いました。

「少しずつ変わっていく。そう」

変化は少しずつで良いのです。
いきなり、大きな変化を要求すると失敗をします。
そして、もっとも誘導を促進させる言葉が
「そう」とか「そうです」という、
ポジティブなフィードバックです。
これにより、誘導が加速していきます。

「左手は下がってくる、右手は挙がっていく
もしくは、左手は固まってしまって、右手は自由に動く
もしくは、右手が下がって来て、左手が上がっていく」

これは、現在のカタレプシーから
どう変化するかを示唆しています。
ただ、こうなるという指示ではなく、
変化を前提とした可能性の列挙により
変化させていきます。
エリクソンが良く用いた方法です。

「最初自分で動かしたかと思うかもしれないけど、
だんだん、自分じゃない何かが自分の体を・・・・・・」

グラデーションの話をしながら、
不随意感を喚起させています。
最後の文章を最後まで言わないのは、
省略することにより、
相手の頭にその考えを浮かび上がらせます。

「そう。左手がだんだん下がってきて
もちろん、疲れてるからかもしれないけど、
その感じを味わってみて」

ここで、左手が下がるという反応が現れてきたので、
それを拾っていきます。
抵抗回避のために、疲れているかもと言いながらも、
不随意感を味わうように指示しています。

「そして、その左手の指が
膝に触れると、さらに深い催眠状態に
なっていきます」

左手が下がっていくので、
その最終地点である、膝に触れることと
催眠状態が深くなることをリンクさせています。
予言的暗示です。

「抵抗しても構わないけど、
ゆっくり、不思議な感覚を味わって欲しい」

抵抗の可能性を示唆することで、
逆に抵抗を減らしています。
そして、ゆっくりという程度を問題にすることで、
前提としての催眠を作ります。

ここまで

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解説6

「例えば、カタレプシーというものがあって
どうやって起きるのかというと
結局自分で動かさないわけで
けれども、自分では動かせない感じ」

催眠の知識がある相手なので、
カタレプシーを起こすといいながらも、
それが自分で動かさないということを示唆しています。
抵抗を回避しているためです。

「日常生活でも、
自分で動かすのだけれども、
自分で動かしてないというような感じがある」

日常生活でもありうるということで、
その体験を喚起させることをさせています。

「普段とは違う意識になってきて、
不思議な感じがする」

この時点で、腕が固まっていますので、
それと、催眠ということを
間接的に結び付けています。

「自分の体をコントロールしているんだけど
コントロールできない」

反対な概念を同列にすることで
混乱を引き起こします。
あるいは、パラドキシカルな示唆により
催眠状態になっていきます。

「すべてをコントロールしているわけではなく、
自動的にしている時はある」

これは、誘導の前に話していた
運転などは、最初は意識しているものも
慣れてくると自動的にできるという話を利用して
その感覚を喚起させています。

「その境界線を見つけていく」

その境界線がある、
つまり、催眠状態になるということが前提です。
そして、それを共同作業として
見つけていくということを示唆しています。

「手が空中に止まっている」

ここで、カタレプシーがおきていることを
指摘して、さっきまで言っていた暗示
不思議な気持ちになるということを
起こします。
ここら辺で、すでに催眠状態になっていると
思われます。

ここまで。

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解説5

「催眠というのは、何らかの境界線があるのではなく
催眠的な何かに、白から黒になるときに
グレーがあるように、グラデーションになっていると思う」

これは、メタファー的な意図を持っています。
催眠を二分法ではなく、グラデーション、あるいは
スペクトラムであると示唆します。
これによって、小さな反応も催眠であると
拾えるようになります。

「例えば、手が浮いてくるとして」

例えばという言葉遣いで抵抗を減らしていますが、
実際この後に手を浮かすようにしていきます。
間接的に手が浮くと言うことを指示しています。

「結局、自分で動かさないと動かないのは事実で」

催眠の知識があるので、
トリックで騙すのではなく、事実を言うことによって
信頼感を得ます。

「だけども、自分で動かしているけども
自分で動かしていないという感覚がある」

これも分離です。
前に述べた事実を受けては居ますが、
自分で動かしていて、動かしていない
という感覚がある、と変化させています。

「最初は自分で動かしている感覚がある
だけど、だんだん自分で動かしているけど
自分で動かしていないという感覚が
グラデーションで変わっていく」

ここら辺は、すでに暗示に入っています。
最初は、催眠の説明だったのが、
具体的な話、今ここでの話になっています。

「じっと、見てもらってるのは
そういうグラデーションを作るための方法で
ちょっとずつなんだけれども
自分じゃない何かが自分の体を支配する感覚」

今やっている行動と
グラデーション=催眠になると
結合させています。
ちょっとずつ、というワードで
抵抗を回避しながら、
分離していくという事を暗示しています。
同時に、このときに私は相手の腕を持ち上げ
カタレプシーを起こしています。
音では聞こえていませんが、
この時点で、被催眠者は手が空中に固まっています。
このカタレプシーの起こし方は、
エリクソンが良くやっていたもので、
言葉が全くいりません。

今回はここまで。

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解説4

「だいたい、じーっと見てると、目が疲れてくるので
閉じたくなったら閉じても構わないし、
いや、頑張るんだ見えるんだと思えば見ていて構わないし」

このときの、被催眠者は催眠の知識があります。
凝視法の仕組みについても知っていると思われます。
なので、あえてその仕組みを話すことにより、
相手との関係を作っていきます。
そして、閉じても閉じなくても良いという指示によって
どっちの反応が出ても、私の言った通りになる
という仕掛けをしておきます。

「トランスがあるかどうかは別にして、
もしあるならトランスになることが催眠だし、
ないならそれはそれで構わない」

これは、誘導前にトランス状態があるかどうかという
話をしていたので、それを利用しています。
これも、前と同じように、催眠の知識がある人に対し
そのからくりを話すことによって、
関係を作りながら、どっちでも構わないという
指示によりどんな反応を得ようがこっちの
影響力を維持していく事を意図しています。

「これから先、なんらかの行動が
起こってくるかもしれないけど」

この先に起きることを予告しています。
しかし、断定をさけ「かもしれない」という
言葉遣いにより抵抗をさけます。

「自分では絶対に動かさないで下さい」

これは、分離を意図しています。
体を動かすのに、自分で動かさないのに動く
というのは本来的にはあり得ない話であり、
催眠で起きる現象の一つとなります。

「勝手に起こることを期待していて下さい」

分離を強めます。
また、前提として何かが勝手に起こるという事を
弱めに言っています。
さらに、期待させるという指示は、
抵抗を除けるために有効です。

今回はここまで。

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解説3

私「赤いあれを見つめてもらおうかな」

と、言います。この誘導では
催眠誘導の基本である凝視法を使います。
凝視法は、とてもよく考えられた誘導で効果的です。
一点を見る事自体が、トランスを誘発しますし、
凝視による目の疲れと暗示をリンクさせて、
閉眼の誘導につなげることが出来ます。
今回は、集中を作る意図で凝視をしてもらいました。
ひとつテクニックを解説します

私「赤いあれ、目立つからね」

と言って居ますが、特に凝視法に使うものが
目立つ必要はありません。
「××だからね」という言い回しは、
相手の抵抗を減らすことが出来るので、
催眠誘導では使うことが多いです。

私「催眠誘導に抵抗しても良いけど、協力して欲しい」

この台詞はとてもエリクソン的な言い回しです。
抵抗しても良い、とはなかなか言えません。
古典催眠的な発想の人は、
失敗とか抵抗とか言う言葉自体が、暗示となり
催眠誘導が上手くいかないと言ったりします。
しかし、エリクソン的な発想を持てば、
抵抗しても良いですと先に言っておくことによって、
万が一相手が抵抗した際も、
その抵抗を協力と意味づけすることが可能になり、
関係としては切れることがないのです。

私「リラックスしてもらって、サクランボを見て下さい」

リラックスというのは、体や意識の弛緩を指します。
体を弛緩することは、そのままトランス状態につながっていきます。
これも、催眠の基本になります。
この台詞の後、少し間が空きますが、
これは相手の反応を見ているからです。
リラックスを指示して、体の姿勢や顔の筋肉がゆるむのを待ちます。
自分が発した言葉にどれだけ相手が反応をしているか
確認しながら誘導することが催眠のポイントです。

私「返事を返す必要はなくて、ただ話を聞いて下さい」

催眠誘導は、相手とのやりとりですが、
相手からの言語の情報は多くは必要ありません。
逆に相手がしゃべろうとすると、
しゃべる内容に意識が行き、トランス状態に入りづらい場合があります。
なので、返事を返す必要はない、話を聞いていて下さい。と言います。
しかしながら、相手は催眠者の言う言葉に確実に反応します。
相手のイメージや感覚と違う事を言うと、
抵抗が出ますので、言語の報告がなくても、
良く相手の反応を見る必要があります。

今回はここまでです。

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解説2

さて、解説の続きです。
今回からは、細かい部分の意図を解説していきます。
しかしながら、文章としての暗示等の解説も重要ですが、
それを私がどういう間でどういう口調で言っているか
という部分の方がある意味大事なので、
表面的な文字の部分だけにとらわれないで欲しいと思います

前回は催眠の経験を聴きました。
そして、次に私は「同じようにリラックスしてもらおうか」と言います。
これは、過去にリラックスの催眠をやってもらった経験があるから、
それと同じ事をしてもらうことによって、催眠的な反応を起こそうという意図が一つ。
エリクソン的に言えば、利用法です。
そして、リラックスという言葉自体により、体を弛緩させて
催眠状態を作ろうという意図があります。
催眠は、大きく分けて興奮している場合と、リラックスしている場合があります。
どちらを使うかは、時と場合によって使い分けます。
今回は、弛緩する方を選びました。

続いて「手をこう置いてもらおうかな」と発言しています。
このとき、私は被催眠者の手を軽く持ち本人の膝の上に置きました。
これは、この後に腕浮遊という現象を起こすための伏線です。
また、こちらの指示によって姿勢を整えることによって、
イエスセットならぬ、「支持する側-指示される側」というセットを作ります。
また、姿勢を正してもらうことによって、今から催眠誘導が始まります
という無言の合図でもあります。
他には、軽く手に触れることで、その反応を見ます。
体に触れられるのが嫌な人もいるので、まずは一番さわられても問題のない
手に軽く触れてみて、嫌なそぶりがないかを確認します。
ここでは、観察が重要となります。もし、手を引っ込めたり、
嫌な表情が合った場合は、誘導中に体を触れることは
しないほうがスムーズに行くでしょう。

そして、ここからが誘導になります。

けれども、誘導前の会話にも意図があることに注目して下さい。
催眠は、決して催眠誘導が始まってからが全てではなく、
催眠誘導を始める前に、どれだけ情報を収集して、
相手のもっているものを使えるかという部分が
とても重要になります。

次、
「自分で催眠にかかったとなると何が必要かな?」
という台詞で、前回言ったように、お互いの催眠にかかったという
取り決めをします。特に、催眠が初めての人には、
この作業は重要です。過去に催眠にかかったことがある人は、
すでに催眠のイメージをもっているし、何で催眠にかかったかという
判断も容易ですが、初めての場合、催眠で起きる現象も知らないですし、
「完全に操られちゃうのが催眠」や「声が聞こえなくなるのが催眠」
等と勘違いしている人も多く、そういう場合催眠にかかっても「かかってなかった」と
思ってしまうこともあるようです。
そして相手の答えたものを、私が反復して言いました。
「動く運動があると、催眠にかかったと実感できる」
これは、確認と共にこれから起きるであろう現象を予言しています。
これから、自分の意志とは関係なく体が動くようなことが起きる
という期待感を被験者に与えます。

今回は、ここまでにします。
最後に、手を膝に置いてもらってから私の声のトーンが変わっているのが
音声から分かるのではないでしょうか。
スピードは、そのままですが、少し声を低くしています。
あえて、ここからは催眠誘導ですよという事の合図として、
声の質を変えています。
低くすることが必要なのではなくて、
トーンを変えることが重要なので、高い声にしても良いですが、
誘導に関しては低い声の方がやりやすいと思います。

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解説1

少々時間が空きましたが、
誘導についての解説をしようと思います。
今回は、まず全体の構成についてです。

最初に、被催眠者の催眠の経験を聞きました。
これは、いくつかのねらいがあります。
ひとつは、相手の催眠の経験から
今回の誘導に使えそうな部分を引き出します。
過去に催眠にかかったことがあるのであれば、
それを鮮明に思い出してくれるようにしていけば、
それだけで誘導ができるからです。
なので、どんな催眠にかかったことがあるか
というような情報を尋ねています。
次に、相手の催眠についての考えを確かめます。
ここで一致がとれていないと、
催眠にかかったかどうかうやむやになります。
例えば、催眠をリラックスしている状態だと考えている
催眠術師と催眠では操られてしまうと考えている
被催眠者では、その催眠に関する考えが大きく違います。
その結果、催眠にかかってなかったと言われることがあります。
なので、しっかりと事前に、どうなったら催眠にかかったと思うか
という事を聞きます。
そして、これらの質問自体が、これから始まることを予告しています。
今までの催眠の経験を聞くこと、そして、何が起これば催眠であるか
の確認自体が、これから起きる催眠への伏線になっています。

さて、細かい内容に入る前に
全体の言葉のトーンについて解説します。
聞いてもらえば、一聴瞭然なのですが、
催眠に入る前と、誘導中の私の声のトーンが
まったく違うのがわかると思います。
この、声のトーンを変えるということが、
催眠の大きな部分の一つになります。
どうして、声のトーンが大事なのか、
どういう声のトーンが大事なのかは、
またそのうち解説します。
とにかく、声のトーンが違うことを確認してみて下さい。

次に、しゃべるタイミングが、
誘導前と誘導中では全く違うと思います。
これは、相手の呼吸に合わせているためです。
なので、とぎれとぎれになり、
次第にゆっくりになっていきます。
そして、このとぎれとぎれの言葉がけが
誘導に効果的になります。
どうして効果的かどうかは、また解説します。

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特別企画3

音源アップの許可を、関係している人たちから頂きました。有り難うございました。それでは、とりあえずアップをします。解説は、時間のある時に少しずつ書いていこうと思います。

そこで、誘導の概要を説明したいと思います。誘導は、昨年末に行われました。場所は、喫茶店の貸し会議室でした。そこでは、こうじさんが主催するエリクソンの本を読む会が行われていました。読書会の終盤に、私の話す時間をいただけたので、催眠誘導のデモンストレーションをしました。被催眠者は、読書会に参加していた傘さんでした。目的としては、催眠誘導の実際を見てもらうためでした。エリクソン的な誘導を行い、腕を固定するカタレプシーを起こし、そこから腕の降下させて催眠誘導をしました。出来るだけ、エリクソンが使った暗示法を使うように心がけました。

音源

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特別企画2

ということで、現在、エリクソン的催眠誘導の音源公開の調整中です。
多分、公開できると思います。
で、その前に、その時の被験者になってもらった傘さん
誘導の感想を載せたいと思います。

レモンを思い浮かべたらつばが出てくる
お金をつるして動くと思った方向にゆれる

そんなものが強力になった感じでしょうか。

とりあえず催眠状態に入っているときはうたた寝のごとく心地よいです。ボーっとした感じです。

京助氏に10分程度誘導していただいたわけですが
テレビでやってるような一瞬で行う催眠ではなく催眠療法風なゆったりとした誘導をされたのでこのときはちょっと残念でした

あとあと一瞬の誘導だとすごく入りにくい体質とわかったのでよかったのかな・・?

ほとんどの人にとって催眠誘導の音声自体が珍しく未知のものだと思うので聞いてみたら良いかもしれません♪

率直な感想を書いて頂きました。ありがとうございました。
少し私から言わせてもらうと、エリクソンは基本的に相手に合わせた
ゆっくりとした誘導をしました。
(時には、一瞬で誘導することもありましたが……)
特に初めての誘導は、気を遣ってかなり慎重に行っていたようです。
あと、テレビでの催眠は一瞬で誘導していますが、
その前に、何時間も事前に誘導をしています。
なので、今回の誘導とはちょっとカテゴリーが違うかと思います。

さて、現在、音声ファイルの公開の方法を悩んでいます。
と同時に、解説の仕方についても考えています。
ただ解説するだけでは、分かりづらい部分もあると思うので、
インタラクティブにできれば良いなと思っているのです。
例えば、チャットで音声ファイルについて、
質問を受けながらそれについて答えていくような方法とか。
何か良いアイディアがあれば、是非コメントに書き込んで下さい。

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