催眠を深化させる

古典的な催眠では、、
催眠とは、相手を催眠状態にすることで
暗示のとおりに行動させる

と、言うように考えています。
しかし、実際に催眠誘導してみると
なかなか暗示のとおりに被催眠者は行動しません
そこで出てくるのが深化です。

古典催眠で深化とは、
暗示に反応する行動の範囲を増やすために、
催眠状態をより深くするための方法

と、言うように考えているようです。
しかし、実際に深化させてみても
なかなか暗示のとおりに被催眠者は行動しません

催眠が上手くなればなるほど共感してもらえると思いますが、
催眠の深さなんてのは、あんまり関係なくて、
もっと違う要因が暗示のとおりに
行動させているのではないか?

という疑念があります。

しかし、とりあえず深化させておけばokみたいな、
安易な催眠者が多いように感じます。
催眠状態には深さがあって深ければ
より多くの暗示に反応する

定説になっているようですが、
一度疑ってみる必要があるのでは?

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本物は分からないし地味

先日、エリクソン催眠誘導の講座を開催しました。
エリクソン催眠の基礎となる部分のワークを徹底的に
時間をかけて何度もやりました。
それを見ていて思ったのは、
エリクソン催眠が上手くなると、
ほとんど失敗しないしほとんどの相手を
トランスに導くことはできるようになるが、
その誘導じたいは派手なモノではなく
とても地味になってしまうと言うことです。

実際、エリクソンの催眠誘導動画を見ても
エリクソンは、一見すると只話をしているだけ
にしか見えず、それだけで相手はトランスに
入っていってしまいます。
分かる人が見れば、エリクソンは
とても慎重に様々なアプローチをしているのですが
ほとんどの人にはそれが分からないでしょう。

この、一見すると話をしているだけなのに
実は慎重に相手を見ながら言葉を選び
タイミングを選び働きかける
というすごさを伝える事は
とても、難しいなと思いました。

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考えてみる2

続きです。

もうひとつの実例は、
催眠のオフ会での出来事です。
ある人が、催眠誘導をしていました。
そして、催眠誘導をされた人はとてもよく反応して
催眠者の言うなりになっていました。
確実に催眠状態であったといえましょう。
そこで、私は隙を見て「あなたは、立てなくなります」
と暗示しました。しかし、その人は立てました。
私の催眠が下手だったからかもしれません。
しかし、催眠状態であれば暗示が通るというのは
実のところそれだけではないことが
この実例からわかります。

催眠という現象は間違いなくあるんですけど、
どうしてそうなるのか、とか、どうやったらなるのか
という説明の部分は、間違っているものが
世間に出回っているように思います。
ちょっと、考えて、ちょっとやってみれば
すぐにわかることなんですから、
催眠ができる人は、催眠の理論が本当に正しいか
いろいろと試してみるとよいかもしれませんね。

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考えてみた1

催眠について考えてみました。

一般的に言われている催眠の基本的な考えは、
催眠は、催眠状態に誘導されていることである。
そして、その状態で暗示を言われると
その通りに行動してしまう、という二つに
集約されていくのではないかと思います。
そして、多くの人は、どうやって誘導や暗示をするか
というテクニックの部分に興味があって、
その前提が正しいかどうかを考えている人は
少ないように感じます。
そこで、昔、僕が実際にやった簡単な実験というか
実例でそれについて考えてみました。

催眠状態であれば、暗示のとおりになる。
そして、テレビや映画を見て集中しているときは
トランス状態、つまり催眠状態であると。
よく言われていますよね、催眠状態は
誰もが日常で経験していると。
そこで、テレビに集中している友人に
私が暗示を言ってみました。
それは催眠の中では、一番簡単だと言われている
筋肉硬直の暗示です。
「腕が固まって動かせなくなる」と。
しかし、友人の腕は動きました。
ちなみに、この友人は普通にやれば
味覚変化までかかる被催眠性をもっています。

この実例からは、テレビや映画に集中しているとき、
は決して催眠状態ではないかもしれないということ
が考えられます。
ま、私の催眠が下手なのかもしれないですけどね。

長いので続きまず。

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被催眠者の答える理由

催眠誘導をして、
被催眠者に何らかの暗示を与えると、
被催眠者は暗示の通り行動をします。
その時、催眠者に行動した理由を尋ねると
答えてくれることがほとんどですが、
その内容はまったく信用なりません。

例えば、窓を開けたくなる
という暗示をしたあと、
何故窓を開けたのかを聞くと、
「暑かったから」や
「空気の入れ換えをしようと思って」
などと言いますが、
基本的にこじつけです。
何故、そう答えるかという所は、
催眠の本質があるのですが、
それは置いておいて、
とにかく、催眠での証言というのは、
多くの場合、信用ならないのです。
それを、信じちゃう催眠者は、
催眠について理解してないという
ことを自ら言っているようなものだと思います。

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催眠のかかりやすさ

催眠では一般的に、かかりやすい人とかかりにくい人とがいるとされています。
被催眠性や被暗示性と呼ばれたりしますが、
現代催眠の方法論を知ってから、その存在意義に疑問を持っています。
エリクソンが行った催眠を知っていくと、
ほとんどの人が催眠に入ることができることが体感できます。
所謂古典的な催眠で、催眠のかかりやすさが問題になるのは、
その方法が、どんなに幅を持たせても公式的で、
それに合わない人は誘導されない訳です。

どんなに、現代催眠、エリクソン催眠を取り入れた古典催眠でも
基本哲学として、催眠のかかりやすさを仮定している時点で、
やはり限定的なわけです。

催眠という方法は、ある程度の公式化は出来ますが、
もっと自由なんだけれども、それを使いこなせている人は
ほとんど居ないなあと思います。

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カタレプシー

先日紹介したばかりのブログ、「徒然なる催眠以前」で
おもしろいエントリーがあったので、同じ話題で書きたいと思います。

実はカタレプシーについて、
書こう書こうと思っていた所なのでした。
そのポイントは、古典催眠で言われているカタレプシーと
一般的なカタレプシーは実は違うのです。
というか、古典催眠で言われているカタレプシーというのは、
多分、誰かが催眠の本とかを読んで、間違って理解したのが
広まってしまったのだと思います。

さて、その間違ったカタレプシーの正体は、
催眠による運動支配です。カタレプシーではありません。
運動支配は、催眠の現象としては多くの人が起きるもので、
誘導初期に使われるものです。

では、本当のカタレプシーは催眠と関係ないのでしょうか?
実はそうではありません。催眠誘導のきっかけとしては、
本来の意味でのカタレプシーも使われます。
例えばエリクソンは、カタレプシーの誘導を使っています。

古典催眠でのカタレプシーは、間違った使い方であるのですが、
多くの人催眠術師は、それをカタレプシーだと思っていて
しかし、本来の意味でのカタレプシーも催眠誘導で使われている。
という、訳の分からない状況になっています。

ただ、言葉というものは日々変化していくものなので、
催眠でのカタレプシー=簡単な運動支配に変わっていくのは、
仕方がないことかもしれません。
しかし、せめてブログ「徒然なる催眠以前」に書かれているように

カタレプシーとは、外から与えられた姿勢を変えられないことでした。
一般的なカタレプシーと古典催眠のカタレプシーはちょっと違います。
古典催眠のカタレプシーは単純に姿勢が変わらないだけではありません。
それは古典催眠では運動支配になります。

これくらいの知識は持っていて欲しいし、
違うんだという事を知って使って欲しいと感じます。
催眠誘導の多くの部分は、言葉が占めるというのに、
こういった言葉に関しては、鈍感な催眠術師が
多くいるというのが私の感想です。

ちなみに、エリクソンが使ったカタレプシーを誘発し
催眠誘導する方法で、私は今まで失敗したことがありません。
というか、カタレプシーを誘発出来なくても、
も相手にそれが失敗だとは絶対に思われない誘導方法なので、
結果として催眠誘導に失敗することがないのです。
これを、使える催眠術師の人を私は見たことがありません。
ただ、テクニックとしてよりも、何故この方法が有効なのか
その意味を理解することの方が重要なのです。

そういった観点から、紹介したブログは、
テクニックが意味をなす理由について理解しているように
私には思えます。そして、それを言葉にして説明する
のが上手いなと思いました。

カタレプシーの説明
http://www.s3wam.net/mental-health/glossary/gl_xcont13.html

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雰囲気とか自信とか。具体的に言うと?

催眠誘導の重要事項に置いて、
雰囲気とか自信をあげる催眠術師は多いです。
これ、本当にその通りで、
催眠誘導には、雰囲気とか自信がとても大事です。
催眠が上手くできない人の原因の多くもここにあります。
しかし、私は雰囲気とか自信というものを
もっと具体的に説明することができます。

雰囲気とか自信が大事だと説く催眠術師の人に、
「具体的に雰囲気って何ですか?」と聞いたことがあります。
すると「言葉では表現することがむつかしい部分です」
と答えました。
しかし、私はその雰囲気や自信というものを
具体的な行動で描写することができます。
そして、どうして雰囲気や自信が大事であるかも
説明することができます。
多くの催眠術師の人が、曖昧な言葉を使って
催眠の説明をしているように思います。
そして、具体的なことを問うても、
言葉にできないと答えるのです。
けれども、実際問題は言葉にできないのは、
本人の能力の問題であって、
それを棚に上げている人を多く見かけます。

なので、催眠術師を見分ける方法として
曖昧な言葉使ったら、「具体的にはなんですか?」
と質問して、それにきちんと答えられる人は、
少なくとも真摯であると言えるのではないでしょうか?

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催眠と注意

催眠に必要な条件として、何かに集中していることがあげられることがあります。
しかし、過去それについて心理学的な研究をした結果、
必ずしもそうでもない、というような結果もあるのです。
つまり、簡単に言うと催眠中は注意が一点にある訳ではないという事なのです。
ちょっと簡単すぎますが……。
例えば、催眠中は集中力が増しているのなら、何かの課題に対して
通常よりも成績が良くなるはずです。
勉強に集中していれば、勉強がはかどるのと同じ原理ですね。
しかし、催眠中に簡単な暗算をやってもらった結果、
彼らの成績は覚醒時よりも悪かったという研究があります。

催眠という現象は、未だに分からない部分が多いのですが、
それにしても、催眠のプロが、こういった過去の議論を知らないというのは、
怖いなあと思います。

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催眠暗示と暗示

催眠において、言葉というのはとても重要なものです。
なので、催眠をやる人は言葉に敏感である人が多いです。
しかし、言葉について敏感な催眠術師の人も、
催眠自体の意味や、催眠の用語に関しては言葉を濁します。

例えば、暗示というものがありますが、
これはかなり限定的な意味を持った言葉でした。
しかし、催眠のwebページをみると、
「世の中暗示であふれています」
というような事が書かれています。
何でも拡大解釈する傾向があるようです。

他には、「催眠状態は日常的に誰でも体験しています」
と、良く書かれていますが、これはトランス状態の事であって、
催眠状態のことではありません。
トランス状態であるからといって、催眠にかかるわけでは決してありません。
確かめるのは、簡単です。テレビや映画に集中して、
トランス状態になっている人に、催眠だとは言わずに暗示を言ってみて下さい。
けっして、その通りにはなりません。

あとは、「世の中には催眠があふれている」などといって、
様々なものを催眠に仕立て上げている人がいます。
例えば、テレビコマーシャルは催眠である。
交渉は催眠である。思いこみすら催眠である、
コミュニケーションは催眠である。
といったような、むちゃくちゃな事を言います。

あえてやっているのかは分かりませんが、
兎に角、催眠に関する用語はめちゃくちゃな使われ方をしているようです。

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凝視法の話

催眠は、被暗示性の亢進されただと言う考えがあります。
簡単にいうと、暗示に対して反応しやすくなっている状態が
催眠であるという事です。
これについても色々と議論はあるのですが、
催眠の一側面を表しているとは言えるのではないでしょうか。

凝視法という誘導があります。
催眠誘導の方法としては、かなりメジャーな方法で、
テレビとかでも良く見かけるのではないかと思います。
説明としては、凝視することにより、意識が狭窄するとか
あとは、神経を疲れさせるとか、いろいろ言われていますが、
その中身は今回は置いておきます。

さて、過去にこんな実験がなされました。
ある一点をただ凝視させるだけという実験です。
凝視に催眠誘導の効果があるかどうかを確かめる実験と言えるかもしれません。
実験の協力者は、二つのグループに分けられました。
ひとつは、催眠を期待しているグループです。
そして、もう一方は催眠を期待していないグループです。
要するに、凝視させるのに、催眠になると思っているグループと
その凝視が催眠と関係ないと思っているグループだと思ってください。
そして、彼等に凝視だけをさせました。催眠誘導はまったくありません。

その結果、催眠を期待しているグループは、見事に被暗示性が亢進されました。
しかし、催眠を期待していないグループはそうなりませんでした。

この結果をどう解釈するかは難しいところですが、
つまり、ただ凝視するだけでは催眠にはならないことがまず一つ分かると思います。
逆にいえば、催眠を期待して凝視すれば、他は特になにもしなくても
催眠になってしまうということも言えるでしょう。
他に言えば、凝視なんてどうでも良くて、催眠を期待していれば
どんな方法でも催眠になってしまうのかもしれません。

凝視法といったテクニックも大事なのかもしれませんが、
催眠をやるなら、もっと知っておくべきことがあるのでは、と常々思います。

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理論と現場

このブログでは、一般に言われている催眠に関しての情報に、
心理学的な立場から、ツッコミを入れつづけています。
世の中の催眠のwebページは、あることないことすき放題書いています。
嘘も多いです。しかし、それが嘘であることは一般の人にはわかりません。
なので、少しでもその嘘を見破ってもらえるようにと思って、
ずっと、このページを書いてきましたが、なかなかネタもなくなり、
そもそも私自身が催眠に興味を持てなくなってきて、
更新回数が減ってきています。それでも、資料としても役に立つだろうから、
このページは、消さずにずっと残しておこうとも思っています。

さて、私は催眠の技術を会得して、100人以上は催眠を実践してきました。
少ない人数ですが、いろいろな事を試しながらなので、自分なりに分かったことがあります。
しかし、今考えるとほとんどが思い込みであったことがわかります。
なぜ、催眠に関して思い込みをしていたことが分かったかというと、
心理学をきちんと勉強したからです。
世の中で思われている心理学と、実際の学問の心理学はかなり違いがあり、
学問の心理学は、やはり、しっかりと人間の心理について教えてくれます。
そして、催眠に関することのほとんどが他の心理の理論から説明できることを知りました。
催眠とは、無意識に直接暗示をいれるから、催眠者の言うとおりに被催眠者が動くというのは
まったくの嘘です。
さらに、催眠療法は特別に効果があるというのも嘘です。

しかし、困ったことに、催眠は使えない、催眠は○○でない、などの命題は、
悪魔の証明であって、私からはそれを証明することができないのです。
なので、どうしても可能性を語り、嘘の催眠ページが増えつづけていくのです。

また、催眠に期待を持っている人は、私が書くようなデータを信じません。
いくら科学的、学問的なデータを示しても、それを信じません。
そのような人は、もう仕方がないのかなあとも思います。

私は、私の出来る限りのことをやっているつもりです。
悲しいかな、それでも私は悪役であり、蔑まれる存在のようです。

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催眠ブラックジョーク

A「そういえば,この前催眠術師のXに会ったんだけどさあ,凄く落ち込んでいてね,話を聞くと離婚したって言うんだよ」

B「えっ? Xが離婚したんだ.というか,Xは奥さんを催眠で口説いたって言ってなかったっけ?」

A「そうそう.酒に酔ったらいつもそう自慢していたよ.催眠が使えれば女に不自由しないって」

B「だよなあ.なら,何で催眠で離婚を回避出来なかったんだ?」

A「ああ.お前Xの言うこと信じてたの? あいつは昔っからほら吹きだったろよ.催眠で口説けたってのも嘘さあ」

B「ええ,そうだったのか.一応テレビにも出てるし,本も書いている催眠術師なのにか」

A「そうなんだよ.俺はネットで催眠について調べたことがあるんだけど,心理学の専門家が書いているサイトを読むと,催眠で女を口説くとか,人を操るとかなんて出来ないんだってよ」

B「へえ,そうなんだ.そういえば,Xは太ってるしなあ.催眠が出来るなら,自己催眠でダイエットしろよって感じだしさ」

A「そうそう.テレビに出ていようが,本を書いていようが,あいつはタダのほら吹きなんだよ(笑)」

B「それでも,儲かってるみたいだもんな.俺も催眠術師に転職するかな.」

A「おいおい,やめとけよ.詐欺師になるようなもんだぜ」

B「ああ,そりゃ嫌だな.俺はそこまで神経が図太くねえよ」

AとB「わっはっは(笑)」

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そんなものでしょう

 コンビニで雑誌を立ち読みしていたら,「SPA」という雑誌に,催眠の記事が載っていました.催眠術師ではないひとの,催眠の記事は提灯にはならないので,とても的を射ていました.はっきり言って,催眠は使えません.催眠という現象は,ありますが,それは普段から使ってなんらかの効果を得るには特殊すぎます.それに気づいている催眠術師は,古典的な催眠からNLPだとか暗示だとかに逃げていますが,それもどれだけ効果があるか疑問です.

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催眠で人を操れるか?

 今更ながら,ハーレム事件について語ることは何もないでしょう.メディアの方でも,もう全く扱っていませんしね.この事件の解説については,釈田さんのブログの記事がとても良いです.なので,気になる人はそちらを読んでください.私は解説をしません.

http://hello.ap.teacup.com/schachter/44.html

 この事件を扱った記事などを読んでいると,催眠に関してはやはり誤解が多いなあと思いました.催眠が出来て,講習会をやっていたりする人ですらまったく催眠について理解していない人が多いのです.催眠が出来ることと,催眠を理解していることとは,まったく別なのかなあと思いました.
 他には,催眠を正当化しようとして,ヘンテコな事を言っている人を見かけました.一つは,「恋愛やナンパや営業は,催眠と同じだ」という主張です.これは,拡大解釈のしすぎでしょう.この主張に,私はとても違和感があります.

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潜在意識商法

 催眠は,無意識や潜在意識というものを前提に,暗示やトランス状態(変性意識状態)による様々な影響について問題にしているのでしょう.他にも,この潜在意識という物を前提にした商売は,いろいろありまして,その中の一つにサブリミナルがあります.
 サブリミナルで有名な実験としては,映画館のコマーシャルで普通ではわからないくらい短いコーラだかポップコーンの映像を入れたところ,その売り上げが上がった,というものです.しかし,この実験は実のところ嘘だったという説もあり,その効果については眉唾物です.
 潜在意識商法の肝は,意識出来ないもの,判断できない物の影響力は強大であり,その方法を使えば,相手の知らないうちに思い通りに操れる,という部分かと思います.しかしながら,実際の所,意識できない部分よりも,意識している部分の方が,日常で圧倒的に多いのです.はっきり言って,どんなに無意識な部分の影響が多いとしても,その割合から考えれば,無意識だけにこだわっていては,まったく使えないのが,潜在意識商法です.
 サブリミナルに関して言えば,オウム真理教の事件が起きたときに,専門家として関わった先生に直接聞きました.たしかに,意識として認識できなくても,影響を受けるのは確かだが,それよりも他の情報の方が影響力が強いので,サブリミナルでマインドコントロール等と呼ばれているものをするは,むつかしいだろう,と先生は言いました.
 この手の商売でいやらしい所は,一部では科学の知見をつかい,その他の部分ではでたらめな推論や自分勝手な持論をつかい,それらしく見せるところです.サブリミナルでは,「意識にのぼらなくても影響をうけるのは確か」という部分だけを強調し,「他の情報のほうが影響力が強い」という部分は無視して,幻のサブリミナルの効果を作り出します.催眠でも同様で,「催眠は米国の医師会で承認されたものだ」という部分だけを強調して,専門家以外に使用してはならない,という部分は無視される.情報は,意図的に歪曲されて商売の道具にされているのです.
 私は,催眠を生業としている訳でもないし,催眠の研究者でもありません.しがらみがないからこそ,有利不利にかかわらず,生の情報をwebページやblogに書いています.きっと,催眠で商売している人たちにとっては,こういった情報は困るのでしょう.その証拠に,様々な迫害を受けています(笑).それでも,まだもう少し続けていこうと思います.応援よろしくお願いします.

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言葉よりも

 コールドリーディングで有名な石井さんがテレビに出ているのをみた.彼は,もともと催眠療法をやっていた(今もやっているのかもしれないですけど)のですが,その頃何度か彼のワークショップに参加させてもらいました.現代催眠という,全く未知の催眠を解説してもらいました.しかし,なかなか理解できなかったですが,最近になってやっと理解してきました.それは,何度も本を読んだからというのもあるのですが,やっぱり目の前で現代催眠を見せてもらったワークショップの経験が大きいです.
 さて,そのテレビで石井さんがやっていたのは,相手の手を自分の手の上に乗せてもらって,その反応をみるというものでした.その手の乗せ方で性格が分かるという物でした.心理学からするとツッコミどころはあるにせよ,その方法は面白いです.また,その方法には,現代催眠の一部も入っているというか,僕から見ると催眠の延長にある方法です(まあ,潜在意識を仮定することが催眠かもしれないですからね).見てすぐに,石井さんが腕を引いているのが分かりました.良く現代催眠で誘導するときに,こういった微妙な身体的な暗示というか行動をします.この体でというはとても重要で,催眠をやっていて,言葉による暗示をしていると,その言葉に反発することは簡単です.俗に言う抵抗というやつですね.「手が固まる」という言葉よりも,身体的に示唆することのほうがよっぽど強力です.なにせ,反発するのがむつかしいですから.
 現代催眠というのは,そういった抵抗を回避する方法が沢山ある誘導法なんですね.これが使えるようになると,古典催眠の方法も違う理解が出来るようになると思います.

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風が吹けば桶屋が儲かる論法

 催眠を商売する人にとって,もしくは催眠信者にとっては,催眠はすごいものでなくてはならない,故になんでも催眠にしたがる傾向があるというのは,何度か書きました.その例として,AならBの論理学の話,AならB,BならC,だからAならCという三段論法の誤用について.そして,今回はその進化系である「風が吹けば桶屋がもうかる」論法です.
 そもそもこの「風が吹けば~」は落語の一つで,つまり笑い話なのです.しかし,これが催眠で使われていたら,笑えません.この話がおもしろいのは,「風が吹けば」と「桶屋が儲かる」だけだと全く関係ない内容に見えますが,一つずつ説明していくとつながってしまうところです.しかし,これは,催眠でもよく使われています.
 ということで,ここでくだらない話を一席.催眠はアートであると申しますが,それはどういう事かと言いますと,催眠はコミュニケーションでありまして,コミュニケーションは人間の行動全てにおける重要なものです,人の行動において重要なものに,欲求というものがあります,欲求は人間の表現に形を変えて現れます,その現れる表現こそがアートなのです.故に,催眠はアートであります.
 まあ,あまり上手い具合に遠回り出来ませんでしたけど,上記のように催眠哲学を語る人の中には,まるで笑い話をしているかのような人がいます.私はそれを聞いて笑っていられないのですけどね.

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実践と理論の間にはなにがあるのか

 このブログをどんな人が読んでいるか,私には全く分かりません.少なくとも催眠にまったく興味のない人は読んでいないと思いますが,それでも千差万別だと思います.ここに書かれている内容は,どちらかといえば催眠が出来る人や,ある程度催眠について知っている人の方が面白く感じる内容なのではないかと思います.また,内容も催眠を行った話ではなく,理論的な話が多いです.そこで,今回はまったくの催眠初心者向けに書きたいと思いあす.
 まず,結論からです.実践をしないと絶対に催眠はできるようになりません!! 入門書を読んだら,何はともあれ実践あるのみです!! 初心者向けの催眠入門としては,爆笑催眠講座の説明で十分だと思います.あれを読んで理解できたら,実践してみてください.
 さて,10人くらいに実践すれば,きっと成功することもあると思います.それで,出来ない人はどっかの講習会に行って,催眠の雰囲気を感じてみてください.それでも出来ない人は,やめた方がいいかもしれません.で,出来るようになった人はきっと,壁にぶつかるでしょう.それは,成功する人もいれば,失敗する人もいるという壁です.もしくは,催眠の成功率の壁とも言えるかもしれません.そこで,あなたは成功率を上げるために,さらなる催眠の情報を求めさまようかもしれません.しかし,気を付けてください.その成功率は,小さな差はあれど,あなたが尊敬している催眠術師とあなたは変わりません.まるで,催眠術師が誰でも催眠にかけられるように振る舞い,そう宣伝しているだけです.だれも,あえて失敗は大きく書きません
 それでも,もし,催眠術師に魅力を感じ,高いお金を払うつもりなら,このブログを読んでください.このブログは無料で提供しています.食べる前に飲む,ではありませんが,行く前に読む.効用としては,催眠のウソ・大げさ・紛らわしい,がわかるようになります.
 少し話がずれましたが,実践は大事です.本を読んだだけでは,催眠は出来るようになりません.しかし,だから理論よりも実践が大事だ,というのは乱暴であり暴論です.例えるなら,外国語を覚えるときに,文法よりも実践が大事だ,とにかく実践だというのに近いです.外国語も話さないと使えないのは事実ですが,それだけでは,相手にとって通じるけど聞き苦しい外国語にしかなりえません.外国語の習得には正しい文法知識も必須です.同じように,催眠も実践で出来るようにはなりますが,それだけでは聞き苦しい外国語と同じで,相手にとって不快なものでしかないかもしれません.理論と実践は相反するものではなく,互いに補い合うものです.催眠をやるなら,実践や実践から勝手に自分が考える理論ではなく,正しい心理学の知識や論理的考え方をもっととりいれるべきだと思います.

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間違った推論

 なんでもかんでも催眠にする最近の傾向に危惧を覚えるので,ここで催眠じゃないという事をかんがえましょう.脱催眠論でも書いた,AならばBの時,BならばAが正しくないという事からを練習します.
 「人ならばほ乳類」はあってます,「ほ乳類なら人」は違いますね.ネズミもほ乳類ですから.
 「鉄は固い」はあってます,「固いなら鉄」は違いますね.他にも固い物は沢山ありますから.
 「催眠は心理学」はあってます.「心理学なら催眠」は違います.これ,けっこう間違っている人が多いですね.心理なら催眠だみたいな.
 「催眠はトランスだ」はあってるとしても(僕は正しいとは思えないので),「トランスなら催眠だ」は間違ってます.
 「催眠は心理的に作用する」まあ,これも正しいとしましょう,しかし「心理的に作用するなら催眠だ」はかなり違いますね.これも,みなさん良く間違ってます.

 他にもよく間違っているのが,三段論法というやつです.AはBだ,BはCだ,だからAはCだ.これも,トンデモでは良く間違って使われます.正しい用法は,「ソクラテスは人間だ」,「人間は必ず死ぬ」だから「ソクラテスは必ず死ぬ」.間違ってるのは,「人間は生物だ」「植物は生物だ」だから「人間は植物だ」というやつです.これはおかしいですよね.
 催眠でやりますよ.「催眠はトランスだ」「恋愛もトランスだ」だから「恋愛は催眠だ」これ後ろの間違いと同じ間違いです.間違ってる人いませんか? これはトランスの部分を「コミュニケーション」に変えても同じ間違いです.「催眠はコミュニケーション」「恋愛もコミュニケーション」だから「恋愛は催眠だ」…….恋愛を何に変えても間違ってますからね.

 これで,少しは何でも催眠にするというのがおかしいことが伝わったでしょうか? うーん,数学は役に立ちますね.

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催眠術強盗!?

 いくつかの催眠のブログで,催眠術強盗が現れたという記事が話題にされていました.内容は,モルドバに催眠術を使う強盗が現れて,数千万円の被害が出ていると.催眠をかけられた行員は,お金を取られた事すら覚えてないとのこと.
 この話を聞いたとき,私は考えました催眠でこれはあり得ない.だから,行員がウソをついているか他の方法だろう,と.思うと同時に,詳細を調べるために大本のソースを探しました.いくら検索してもこのニュースのソースはひとつしかありませんでした.

Ananova

 簡単な英語なので,すぐに読めました.詳細はまったく分かりませんでした.なので,他にもないか探したのですが見つかりませんでした.で,この話を知り合いの研究者と話したときに,このAnanovaというのは,イギリスのバーチャルニュースを発信するところで,その信憑性はかなり低い,という事を知りました.
 ここ以外に,ソースもないこと.また,催眠のメカニズムから言ってもおかしなこと.多分,このニュースはジョークというかガセでしょう.
 情報ってのは一歩間違えると,ジョークだろうがガセだろうが本当のように扱われてしまいます.都市伝説とかもそうですけど.催眠にも都市伝説というか,ウソが多いのは何度も書いているとおりです.騙されないようにしましょう
 そもそも,このニュースを聞いたときに,この銀行員が嘘をついている,とか他の方法を考えずに,催眠でやったという前提を信じてしまう事がかなり危ないです(催眠信者に言わせればこれも催眠?).私が最初に思ったのは,銀行員がなにかへまをして,お金を取られてしまった.それを誤魔化すために催眠にかかってたと嘘をついた,と考えました.証言なんてのは簡単に信用できません.とくに,この場合,銃やその他の凶器で脅されてないのにお金を取られてしまった場合,銀行員の責任が問われるかも知れない場面です.そんな場面で,催眠で記憶もなかったでした,なんて都合の言い事にはならないのでは,と私は考えました.テレビやDVDでの催眠にかかっている人の証言なんてのも信用ならないですよね

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マインドスコープ

 作成中とありますが,とても興味深いサイトを見つけたので紹介します.

マインドスコープ

 ショー催眠に関する考察ですが,私の主張と同じ部分が沢山あります,手品と催眠の関係や,ショー催眠のからくりの部分などは,私も何度も書いているものです.私のブログが好きな人は,参考になると思うので,是非一読してみて欲しいです.
 しかしながら,全く同じ考えではなく,異なる部分も同じくらい沢山あります.催眠をまじめに勉強すると催眠から離れていく.私はそう思っています.これに関しては,「脱催眠論」として,新たなカテゴリーを作って語っていこうと思っています.
 マインドスコープに関しては,もう少し読み込んで私なりの考えをまとめてみたいと思います.

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技法の効果

 催眠誘導には,いくつか公式化された技法と呼ばれるものがあります.それらの中でどれが本当に効果のあるものなのか,という事は催眠誘導に興味のある人にとっては,重要な事項の一つであるでしょう.
 さて,あるときミラーリングという技法について,様々な議論を読みました.ミラーリングは効果がある,否,効果がない.こういった議論は大事で もあり不毛でもあります.個人の経験にたよってその技法が効果があるか無いかを判断することは容易ではないです.それは,前回書いた事にも通じますが,主 観は様々な要因に左右されて,その意味をゆがませます.
 そこで,心理学の実験というものが登場します.このミラーリングに関しては,ある心理学者が実験をしています.面接の場面で,相手の姿勢を真 似た時と,真似ないときの二つの被験者にその面接官にどういう印象を受けたかという質問をしました.結果,姿勢を真似たときの被験者の方が共感を強く感じ たということです.つまり,ミラーリングの効果は実証されているのです.
 しかしです.ここで気をつけなくてはいけないのは,ミラーリングという技法も決して必殺技ではないのです.心理学の実験で効果がある,という のはつまり差があるということです.何もしてないときは3割の人が共感をもち,ミラーリングの場合は5割(これは例えのための結果です.本当の結果が知り たい人は論文を参考にしてください).それを統計時に処理押して,「なにもしないよりはミラーリングをやった方が共感が上がることが多い」という事がわか るのです.これを簡単にいってしまうと「ミラーリングは効果がある」という風になってしまいますが,それを誤解して,ミラーリングすればとにかく共感を得 られるという風に,その結果の本当の意味を読めない人は,勘違いをして,ミラーリングをしても上手くいかなかった例をとりだし,ミラーリングは効果がない と主観で判断したりするのでしょう.技法はオールオアナッシングではなく,何もしないよりも効果があるというものがほとんどです.
 他の催眠技法についても全く同じ事が言えます.全ての技法は必殺技ではないので,それをやれば必ず催眠に誘導できるというものはありません. もし,そんな事を言っている人がいたら,その人は間違いなくインチキです.催眠も心理学の一部です.だから,最低限の心理学の知識がないと,ホントの効果 とか技法について正しく理解は出来ないと思っています.

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人を好きなる要因って?

 交渉人さんのブログはおもしろいですね.自分にない視点で催眠を論じているので,私のブログのネタになります.今回は,催眠で人を好きにさせるかどうか…….私もそれについて,書いてみたいと思います.まあ,私だけの意見なので,読み流してください.
 交渉人さんは,最低限の好意一定期間にある程度の回数があれば催眠で人を好きにさせることが可能だという事です.私はそんなに簡単に結論が出せません.何度か記事にしていますが,○○に効果があると結論するためには,何かと比較をしないとダメなわけです.この場合,催眠以外の条件を同じにして実験してみれば,催眠に効果があるか分かるはずです.つまり,最低限の好意をもった相手に一定期間で何度も会って話をするだけの群,と,会うたびに催眠で好きになるように暗示をする群の二つを比較します.
 まあ,実験をしてみれば良いのですけど,それも大変なので結局結論は出ないんですが,私の予想では差はないと思います.つまり,催眠は関係ないという結果になるでしょう.何故ならそれは,人を好きになる要因がどちらにもそもそもあるからです.
 心理学で恋人を作ろう,みたいな本で必ず出てくるのが有名な吊り橋理論です.吊り橋の上で告白すると上手くいく,という理論です.それと,同じくらい有名なもので単純接触効果というものがあります.とにかく,何度も会うヒトには好意を持ちやすいというものです.また,人だけではなくて物にも応用できるのでCMにも応用されていますよね.この実験をしたときに,最低限の好意があって,そして単純に接触する回数を増やすのなら,それはすでに催眠以外の要因で好きになるように働きかけているわけで,多分催眠の効果は関係なく好きになったりする人が多いでしょう.差は出ないと思います.まあ,実際にやってみないと分かりませんけどね.そもそも,心理学から考えると,催眠の効果を測るとしては不十分な実験だとも言えるんですけど…….
 ○○は効果がある!! って言うのは,実感したとか,やってみてそうなった,とか,5分できたから1時間も大丈夫だとか,そんなに簡単な物ではないです.心理学,とくに臨床心理をやるならば,効果があるとはどういう事か,くらいは分かっていて欲しいですね.それが,催眠だとしても.

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よーく考えよー 

  • ラポールがあれば催眠が出来ると言うけど,家族や恋人や親友にはかかりづらいという報告があるのは何故? そういう人たちはラポールが出来ていると思うのですが?
  • 催眠から覚醒させるときに「はっきり,すっきり,目が覚める」と言うけど,無意識の暗示理論でいくとその覚醒暗示が「はっきり,すっきり,目が覚めないことがある」という暗示になってしまって,覚醒によって悪影響がでるのでは?

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催眠術の奥義とは!?

 私が昔公開していた催眠術のテキストには,催眠術はかかりやすい人にしかかけないこと,という奥義を書いていました.今でもそれは間違ってないと思っています.しかし.それは初心者向けに書いたテキストなので,上級者としての奥義ではないです.とりあえず,催眠術を楽しみたいのなら,かかりやすい人というのが,一番でしょうね.
 トラックバック先の交渉人さんのブログでは催眠術の奥義が「催眠術師のフリをする」と書かれています.これは,とても良いところを突いているなあ,と思いました.交渉人さんは,その裏にある本質も気づいているのかも知れないですが,本当の奥義は何故フリをすると催眠術にかかるか,って所なんですよね.それは,このブログで昔書いた記事にある,外人の催眠術師が通訳を使っても催眠にかかるという事と共通な部分があったり無かったり.
 残念ながら,その大事な部分は書きません.催眠術を試行錯誤しながらやっている人は,その経験からやはり大事な事に気づいていくのでしょうね.まるでロボットのように毎回まったく同じ型の催眠をやっていると気づかないことかも知れないですね.
 催眠が心理学として研究されてから100年くらいでしょうか.たかが100年だとは思いますが,沢山の研究者が様々な考えのもと実験や調査を繰り返しています.催眠をやり始めて考えることは,ほとんどが昔誰かが考えてたことです.そして,否定されているから現在ではまったく言われないことだったりします.裸の王様にはなりたくないものです.温故知新とは本当に良い言葉だと思います..

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誘導法のウソ

 そうそう,催眠誘導法のひとつである驚愕法の説明ですけど,驚かせて理性が静まるときに暗示を入れると無意識に暗示が入り従ってしまうってのは,これウソです.

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詐欺マッサージ師、気光治療院逮捕

 今朝テレビ番組でこの事件の詳細を知りました.乳ガンになった女性が藁をもすがる思いでこの容疑者の気功治療院にいったところ,まったく新しい世界にひとつの方法で治せる7回で治るから200万円くらいを払えということで,女性はそれを信じて通ったそうです.しかし,7回目の治療を終えても結局治らず,あと3回分を半額で良いから一括で払えと言われたそうです.結果癌は進行し,女性は容疑者を詐欺で訴え,民事裁判で勝利しました.しかし,その前にその女性は癌によって死んでしまったそうです.
 さらには,この容疑者は,この女性に対し「愛人になれ」等と言ったとも報道されていました.セクハラな行為も治療中にしたとか…….病気で心身共に弱っている人,その弱っているところにつけ込んだとても卑劣な行為です.また,まったく非科学的な根拠のないものをさも,すごいもののようにHPで宣伝し,客を集めていたようです.そのHPが以下です.

http://www.kikouchiryo.com/japanese/page16.html

 酷いですよね.しかし,巷にあふれる催眠療法のHPも私にとっては全く同じくらい酷いです.癌じゃなくても心の病でも死に至ることはあるでしょう.催眠の専門技術があったとしても,最低限の臨床心理学の教育を受けていない人がカウンセリングをやっていると,いつこのような事件が起きても不思議ではありません.否,すでに起きているでしょう.ただ,大きく報道されないだけなのではないでしょうか.
 とにかく,嫌な事件です.亡くなられた女性の冥福を祈ります.

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なんて事を書くと

 前の記事のような事を書くと,催眠にかかってた人は,実際にかかっていたと言っているし,自分では開けなかったといっているじゃないか,なんていう反論を言われそうなので,そこらへんについても少し.きっと計算犬が話すことが出来たら,彼は自分は計算が出来るんだワンって言うに違いない.だって,飼い主からは強烈にそういう風に言って欲しいというオーラが出ているし,テレビの取材が来ちゃって,実は違いますなんて言えないだろうし,自分も確かに正解のところで吠えるのを止めているのだから.犬ですら,多分それくらいの空気は読めるし,読み過ぎて自分が計算が出来ると勘違いしちゃうかもしれない.人間なら尚更だ.
 ○○と言っているから,○○なんだ,なんてそんな事をいっちゃえば,心理学の実験ではそう言った実験はたくさんあります.例えば,一度何らかの頼みを承諾した人は,次のお願いも承諾してしまいます.これはかなりの高確率で.他にも,理由はどうあれ「どうしても」と言われると承諾する率が高くなります.つまり,一度お願いをして,承諾してもらって,どうしてもというニュアンスで「催眠にかかってましたよね?」と言えば,かなりの高い確率で「催眠にかかっていました」と答えるでしょうね.催眠にかかって無くても…….
 かといって,催眠の現象を否定する気はありません.しかし,それらは催眠じゃなくては起きないものではないです.例えば無痛暗示.これを読んでいる中でも遊びに夢中になって怪我の痛みを忘れた人はいないだろうか? 僕が幼稚園や小学生の頃は,遊びが楽しくて,少しくらいの傷ならまったく痛みなどなしに遊び回っていました.無痛暗示は催眠だけの特権ではないのです.他にも催眠で不思議と思われている現象は,やろうと思えば出来る事.前世だって僕らは夢を見ますし.手を開かないなんてのは,僕らがコントロールできる.開けないと開かないの違いは,本人の言葉だけです.その本人の言葉なんてのは,先に挙げた心理学の実験ではないが,意図とは別に,そう言われることはそんなにむつかしいことでもない(実際多くの人が手が開かないなんていう催眠を最初に覚える).
 そもそも出来ることしか催眠では起こせないのは,何度も書いているが,それを引き起こすという事には価値がある.RealHypnosisの管理人も言っているが,催眠は何ができるではなく,いつ出来るようにするか,という事が焦点にあり,それに関しては,もしかしたら他のものよりも優秀かも知れないです.しかし,それ以上でもそれ以下でもなく,無意識への暗示だとかそんなものではないです.前の世紀の催眠の常識は,もうそろそろ引退願いたいと思う今日この頃です.



 

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計算犬と催眠の関係

 計算犬というのをご存じでしょうか? 足し算やかけ算が出来て,その答えを吠えた回数で教えるという犬です.こんな犬は,世界にも日本にもたくさんいるのですが,この計算犬のVTRを見ると,計算犬が用心深く飼い主を見ながら吠えているのが分かります.そして,正解の回数を吠えた後の飼い主の反応をみて吠えるのを止めているのが,VTRからは良くわかります.というこの計算犬はトリックというか,錯覚があると言われるので,飼い主を見えないようにして実験をしたVTRも見たことがありますしかしそのときも,計算犬は見事に答えたというようなものもありました. これでは本当に計算が出来ることになってしまいますが,実は飼い主以外の反応を見ていたというのがあるようです.スタッフやその他の人が正解の数を吠えた後に力が抜けるのを感じ取っているとか.その証拠に,完全に隔離すると全く計算できなくなるようです.
 さて,催眠のVTRをみると,被験者が催眠者を良く見ているのが分かると思います.そして,催眠者も言葉という暗示以外の細かい仕草で,その被験者の反応を強化させたり止めたりしています.よく見てみてください.下手な催眠術師ほど,すぐに言葉で暗示を解いたり繰り返したりして意図を伝えます.被験者がどう反応して良いのかわからなくて,困っている表情をだしたり,それを読める催眠者はやるなあと思いますね.
 しかし,それを見ていると僕は先程あげた計算犬を見ているようです.無意識に暗示をかけて,自分の意識とは違った行動をとるというよりは,二人でお芝居をしているみたいです.というか,催眠の大きな部分は実はそれなんです.もちろん全てではないですよ.大部分です.催眠の基礎の基礎の部分ですね.どんな大先生にあっても,このことを教えてくれたことはありませんでした.残念.

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無意識に暗示を与える行動

 さて,最近流行の無意識に暗示を与えているもの.例えば,「お金持ちになりたい」と口に出していると「今はお金持ちじゃない」という暗示が無意識に与え られて,お金持ちになれないらしいとか…….良くかんがえれば,これトンデモなんですけど,もう,考えられないのかなあ…….
 ところで,催眠を使って女性を口説こうと頑張っている人は,実はその行動によって自分は催眠を使わないと女性にもてないという暗示をかけているんですよね(^_^; 同じように,催眠を使って何かをしようとしているひとは,催眠を使わなきゃ何にも出来ないって自分に暗示をかけているわけです(^_^; わかってやっているから大丈夫だって? いや,それは無意識に対する暗示だから,意識がそれを大丈夫だと思ってもダメなんですよねえ,その理論だと…….

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当たり前の事なんですけどね

「続・催眠も学ぶ」の記事です.
トラックバックや,リンクがダメみたいなので,URLを書いておきます.

http://hypnotizee.blog17.fc2.com/blog-entry-60.html

催眠を使ったアダルトもののほとんどは,
催眠を演出として使ったものであって,
その内容は催眠が無くても出来る状況であるのは,
これ間違いないです.
プロはいかにそれを感じさせないか,そこを苦心しているようですが.
催眠につきまとう幻想.それはやはり幻想でしかない.
うーん,どうしたら分かってもらえるだろうか?

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自分に知らずにかけている自己暗示

私たちは知らず知らずのうちにいろいろなものから暗示を受けているのです.例えば,高所恐怖症の人は,知らず知らずのうちに高いところは怖いという暗示にかかっていたのです.これはある意味催眠であり,この暗示に気付かせるのが催眠療法です

 なんて,なんでもかんでも催眠にしたがる人が世の中にはいますが,それは,価値観とか学習の結果だったりするのです.もしくは,認知心理学で言うところのバイアスやスキーマといったものでしょう.それはけして催眠ではありません.催眠は心理学だと言いながら,バイアスやスキーマですら,催眠で説明する人は,心理学を知っているとは言えないでしょう.

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最強の暗示

ある現代催眠術師(?)が言いました.

「私は今の会話の中に,あなたが良くなる暗示を入れました.それは,意識では気づかずに無意識に影響してあなたを良くしてくれるでしょう.説明してしまうと効かなくなってしまうので教えません.もし良い影響が表れてきたら種明かしをしましょう」

一週間後に,それを言われた人は喜んで報告に来ました.

「先生,なんだか最近調子がいいんです.朝気持ちよく起きられるようになったんです!!」

そのせんせいは言いました.

「そうです.私が前にあなたに与えた暗示とは,そのことだったんです」

……なんて,実は催眠術師は,何もしてなかったのです.相手が良くなったと言えば,それは私の暗示だった,と言うだけです.
これも催眠ですか? 暗示でしょうか? 

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嘘催眠(?)

 催眠じゃないものを催眠だと偽って,簡単なマジックをやるひとを見たことがあります.例えば,走っている車を描いてくださいといったとき,右利きの人は大抵左をむいた車の絵を描きます.同じように横顔は左を向きますし,魚も左を向きます.これは,ある種の人間の性質です.これを,さも催眠でそういう絵を描かせたんだ,等と偽ることは簡単です.
 また,後付けすることによって,さも暗示通り行動させたと主張する事も簡単です.なにか単語を書いてください.といって,○○○と(何でもokなんです)その人が書いたら,実はさっきの時にその単語を書くように暗示をしていたのです,と堂々と説明して「分からないような暗示だ」といって煙に巻いている人をみたことがあります.
 これらは,催眠ではないのですがねえ…….

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状態説

 催眠の資料を調べてると,催眠に対して様々な考え方があったことが分かります.その昔は,動物磁気というなんだか良くわからないパワーが催眠を引き起こすのだと思われていたことがありました.動物磁気はその後,違うだろうと否定されました.
 そんな,催眠の諸説の中で「状態説」というものがあります.それは,催眠は催眠状態という状態であって,その状態になるから暗示どおりの行動をするというものです.催眠をやっているひとは,大抵この状態説を素朴に信じているようです(そんなこと考えてもない人がほとんどですけど).その逆で,「非状態説」という説もありまして,それは催眠は状態ではなく,様々な相互作用の中で起きるものである,というものです.非状態説は,放って置いて今回は状態説について考えてみましょう.
 催眠が催眠状態という特殊な状態で,その状態にさえなれば良い,という考え方は「催眠帯(だったような)」という考え方にも反映されています.体のある場所を押さえると,催眠状態になるというものです.他にも頚動脈圧迫法もそれにあたるでしょう.回頭法なども同じように,「状態」というものを考えるからこその方法だと考えられます.しかしながら,この「状態説」では説明できないことが沢山あります.先ずは,催眠状態になれば暗示を受け入れる,と言う割には,催眠者以外の暗示に従わない時があります.もちろん,催眠者が被催眠者に対して「誰の暗示もうけいれる」とすれば,暗示に反応しますが,そういう暗示をしない状態で,他の人が暗示を言っても反応しないことがあります.これは,状態説だとちょっとおかしい現象です.と言うと「催眠”状態”でも意識はあり,催眠者を選ぶことができるんだ」と反論を受けそうですが,それはすでに状態説では無くなってきているのです.同じように,催眠が深い”状態”という事も言いますが,前にも書いたように,深化などせずに幻覚を見る人もいるし,逆に深化させても何も反応しないこともあります.
 状態説の行き着く先として,脳の問題を主張する人が居ます.催眠は,普段とは少し違う行動をとるのだとしたら,普段とは違う脳の働きが起きてもおかしくはないでしょう.しかし,状態説を信じ切っていると,脳が○○になったから,催眠である,という風になってしまいますが,私は逆で催眠的な行動をするから脳が○○になる,という方が正しいと考えます.現段階で,催眠を脳の働きで完全に説明することはできていません(そもそも,脳の働きが良くわからない部分が多いので,そちらが先でしょう).
 私は催眠は状態ではないと考えています.そして,状態説を捨てることによって,現代催眠の誘導が理解でき,使えるようになりました.どっちが正しいかを議論する気はないのですが,一度,催眠が状態なのかどうか,考えてみるとおもしろいのではないでしょうか.

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現代催眠とNLP

 催眠業界では少し前からNLPが流行しているようです.そして,NLP=現代催眠という風にとらえられているようです.しかし,私はすこし違うと考えています.
 現代催眠は,ミルトン・H・エリクソンが使った催眠を指します.それまでにあった催眠術とは違う方法を使い,催眠にかからないと思われた人たちまで催眠誘導することができる方法でした.しかし,エリクソンの方法は難解すぎて同じ事を出来る人がほとんど居ませんでした.また,エリクソンはあまり自分の方法を詳しく語りませんでした.そこで,エリクソンの弟子がそれぞれ自分なりにエリクソンの方法を研究し説明してきました.NLPはそのうちの一つです.
 しかし,NLPはエリクソンだけではなく,パールズやサティアと言った催眠療法とは関係のない人たちの方法も参考にしました.この時点で,純粋な催眠の系譜からははずれるし,現代催眠と呼ぶにはすこし違うものになりました.また,エリクソンの方法の表面的な部分のみを簡単に分類しました.それは,現代催眠のほんの一部分でしかないのです.と言うようなことから,NLP=現代催眠ではないと私は思います.NLPは現代催眠だと言っている人は,現代催眠について勉強不足と言えるのではないでしょうか.

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注意!! 催眠に興味のある人は読まないで下さい

 普通の人は,催眠について細かく考えることはない.おもしろそう,不思議そう,すごそう,と素朴に思うのが一般的であると思う.しかし,催眠が出来るようになり,催眠が最初の印象よりも使えないことに気付いていくのだと思う.だが,最初のインパクトから抜けられなくて,催眠原理主義みたいになる人たちもいる.
 催眠をつかっても,何らすごいことは起きない.不思議に見えることは起きるが,それはマジックと一緒である.手品はタネやテクニックがあり,それを使えば不思議に見える.しかし,それでしかない.催眠も同じである.テクニックやタネがあり,不思議に見える現象が起きるが,超能力ではない.しかし,催眠原理主義の人たちは「可能性」を強調する.それは,催眠は一見すると「こころ」というものを扱っているように思え,かつ「こころ」には分からないことが多かったり,もしくは「こころ」に対して大きな誤解をしているからである.
 マジックの現象をタネやテクニックで説明できるように,催眠の現象を「こころ」や「無意識」ではなく,人間の行動の習性によって説明することができる.実は,その説明こそが心理学的なのである.だが,そんなことは催眠に興味のある人にとってどうでも良いことなのかもしれない.なので,このページでは催眠術への疑問は書くつもりだが,心理学的な催眠の重要事項に関しては,書くのをやめたいと思う.心理学に興味のがあるひとは,メールでも下さい.

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○○技法!!

 「この誘導法は私が新しく考えたものです」みたいな事を言う人がいますが,それを聞くと首を傾げてしまいます.人間は都合の良いように考える癖があるんですよね.そんな実験を紹介します.
 三つのボタンと一つのランプがある装置を被験者に触ってもらって,ランプがつく法則を探してもらう,という実験をしました.被験者は試行錯誤し て色々と理論を作りました.例えば「ボタンを押順番」とか「ボタンを押す時間」などでした.しかし,このランプは,1分ごとに点滅するだけだったのです. ボタンは全く関係ないのですが,被験者はその自分の作った理論にみんな自信があったそうです.
 このように,ただ等間隔に点滅しているランプに冷静に観察出来ずに,理論化してしまう傾向が人間にはあるみたいです.そして,理論が出来ると 今度は,その理論に当てはまるものだけを集め,例外を見なくなる傾向があります.こうして,独自理論ができあがります.もういちど,その理論を冷静に考え てみませんか?

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実験はおもしろい

 心理学の人がやった催眠の実験ってのをご存じの人って少ないのではないかと思います.おもしろいものが沢山ありまして,紹介していきたいと思うのですが,その前に実験の方法について書きたいと思います.
 例えば,催眠が禁煙に効果があるか,という事を実験しようとした場合,何人か被験者を集め催眠をかけて禁煙の暗示をして,その結果禁煙できたか だけを測っても,催眠が禁煙の効果があったかどうかはわからないのです.と書くと反論が聞こえてきそうですが,この実験だと催眠の効果は測れてないので す.ではどうやって催眠の効果を測るのでしょうか?
 それは対照群というものと比べることによって催眠に効果があるかどうか考えるのです.対照群とは,催眠以外の部分を同じにした被験者のグルー プを作ると言うことです.さっきの例だと,自力で禁煙をするグループを作ると言うことです.他にも,普通のカウンセリングで禁煙をするグループとか,対照 群はいろいろ考えられます.こうやって比べないと催眠が本当に効果があるかわからないのです.
 さて,バルバルという心理学者が催眠に関して沢山の実験をしています.たしかに催眠は何もしていないグループよりは,何らかの効果があったりしま すが,その他の動機付けがある場合とほとんど変わらないのです.つまり,催眠で出来ることは催眠じゃなくても出来るという結論が出てたりするのです.こ れってすごい面白いですよね.

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催眠の専門性とは何でしょうか?

 催眠とはその意味もその範囲も広い意味を持っています.催眠は心理学や精神医学の分野に置いて学術的に研究がされてい ます.催眠の専門家とはすなわち心理学や精神医学の分野の専門家で無くては成らない,と言うことも出来ると思います.それと同時に催眠誘導のテクニックだ けできる人がいて,その人達は自分を催眠の専門家だと思っています.普通の人からみれば,どちらも催眠の専門家に見えてしまいます.これは一つの問題点だ と思っています.
 例えば,心理学の催眠専門家は催眠技術を一般の人に教えることは出来ないのです.つまり,普通の人が催眠を覚える場合は催眠だけが出来る人 ――民間催眠術師と言いましょう――にしか教えてもらえないのが現状です.その状態が長く続いたため,民間催眠術師が催眠の専門家となっているのです.し かし,心理学の催眠専門家から見れば,彼らの教える催眠にはおかしな所があったり危険なところがあったりするので,専門家とは言えないのです.
 また,催眠は商売のコンテンツという側面があります.その商品価値を高めるためには,催眠を素晴らしいもの,楽しいもの,不思議なもの,特別 なものにしておく必要があるというのもひとつの事実だと思います.それ故に,心理の専門家からみたらおかしな事でも民間催眠術師は平気で言ったりすること もあるのではないでしょうか.しかし,同時に催眠を買う消費者の側も催眠に特別なものを求めており,そこには受容と供給が一致しているのもまた一つの問題 だと考えています.
 私は民間催眠術師の全てを否定する気はありません.催眠を商品としても良いと思います.しかし,それは正しい情報を適切な値段でという条件が 必要だと思います.現在の催眠業界は「うそ,おおげさ,まぎらわしい」の宝庫です.だから,私は正しい情報を広めていくと同時に,催眠を消費する人たちへ 向けて,催眠の限界を知らせていくという活動をしています.

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催眠番組

 先日催眠のテレビ番組が放送されました.催眠関係のHPを作っているので,見ておかなくては駄目だろう,と思い視聴しました.日米の催眠術のスペシャリストが催眠をかけあうというような内容でしたが,ここで一つ疑問に思った人がいると思います.

「英語を通訳して催眠をかけているのに催眠にかかっている!!」

 実は通訳の人が催眠術師だとか思うかも知れませんが,そんなことはないです.実のところ催眠ってのは「暗示の文章が正しく伝わる」という事じゃないんですよね.だから,通訳でも催眠にかかるのです.詳しく書くとむつかしくなるので書きませんが,実はこの事がすごい重要なんですね.

 

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催眠をやる人を端から見ると

 私は日頃から「催眠は目的が大事である.そして,その目的には催眠が最適なのか考える必要がある」と主張しています.そして,「心理療法」が目的なら,催眠技術だけでなく心理学全般を知らないと使えないと思っています.「営業」が目的なら,古典的催眠は使えないし,現代催眠も修得がむつかしい.「コミュニケーション」だって,古典催眠は使えないし,現代催眠よりも社会心理の方が良いと思います.催眠が最適なものが私は思いつきません.催眠じゃなきゃ駄目なものを私は知りません.そんな催眠ですが,その不思議に見える技術を知りたい人が沢山居るようです.そんな人たちが集まるのに「オフ会」というものがあります.
 私もオフ会に参加したことがあります.催眠オフ会には様々な人が集まります.催眠という共通の興味を持って集まる会なので,普通とは違う価値観があります.それは,「催眠はすごい」とか「催眠はおもしろい」というものです.私は書いてあるとおり,「催眠はあまり使えない」と思っているので,冷静にオフ会を見ています.催眠のテクニックに興味のある人,現象に興味がある人,色々です.そんな中で,催眠に興味のある女性の興味のある人を見受けます.とにかく,女性にしか催眠誘導をしない人.催眠誘導は体にさわる事がありますからね(実はさわる必要はないんですけど).必要以上に体をさわっているひとは,さすがに見ていていい気持ちにはなれないですね(とはいっても,本人はそんな気がないかも知れないですからね.簡単には言えませんけど).そんな中,おもしろい催眠オフ会の体験談を見つけたのでご紹介しておきます.私も気をつけなければ…….

「らぴらぴさんのオトナ系日記」1月27日の記事

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研究は矛盾と闘う

 催眠のHPを作ってから,何人かの人から「あなたのHPの内容は批判ばかりで夢がない」と批判を受けたことがあります.私自身は,批判と言うよりも,催眠の限界を知り,出来ないことを出来るかのように言う姿勢に疑問を感じていて,それを書いているだけなのです.本当に催眠が嫌いだったなら,こんなHPを作ったりはしません.研究者や科学が夢が無くて冷たいと思う人がいるかもしれないですが,それについて一つ言いたいです.
 催眠の研究者は,催眠の可能性や効果を信じて研究をしているのです.例えば,禁煙に催眠が効くかどうかだって,効けばいいと思ってい実験している人が多いのではないでしょうか.しかし,研究者は科学的思考や論理的思考を使うが故に,研究結果が思った結果にならなくてもそれを受け入れます.いくつも催眠での禁煙に否定的な結果がでていても,毎年その研究があるのは追試といういみもあるでしょうけど,効果があって欲しいと思う人がいるからでしょう.心理学の研究者は,大きな発見があろうとも特許でお金がもらえるとか,そんなことはなくて,もくもくと自分のやる研究が何か誰かの役に立つことだけを考えているのかも知れません.催眠で可能性を語ってお金儲けをする人たちよりも,研究者の方がよっぽど催眠の可能性を信じて研究していると思います.催眠の可能性を信じていても,催眠の否定的な結果も信じなくては行けない研究者は,矛盾と闘っているのかも知れません.

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催眠のイメージ

 新春のテレビ番組で,「催眠の森」というものがありました.催眠のコンテンツを書いている身として,目を通しておこうと思いこの番組を視聴しましした.催眠をやっていたのは,前田という催眠術師でした.その昔,オフ会で前田という人物と話したことがありました.その時は催眠ができる普通の人という印象でしたが,テレビを見てもその時の印象は変わりませんでした.
 さて,番組の内容としては,芸能人を被験者とした催眠ショーと,そのあと催眠療法をやっていました.催眠ショーはともかく,催眠療法は見ていて嫌になったので,最初の一人でテレビを消してしまいました.しかし,テレビを見ていた人の多くはイメージ通りの催眠療法だったと思います.本当の心理学,心理療法が沢山の人に知られないとこの番組のような催眠術で心理の問題を扱う人が減ることはなかなか無いと思いました.

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あなたの求める催眠は?

 前にも書きましたが,催眠と言っても人によって解釈が違います.催眠を勉強している人は,そこに何を求めているかはっきりしないと,混沌とした催眠業界で迷子になってしまいます.催眠業界には,その混沌を利用してお金儲けをしている人たちが沢山居るので,それらに引っかからないようにするためにも,目的を持って催眠を勉強したらいいと思います.あなたの目的は何ですか?


 さて,その目的は催眠で本当に出来るでしょうか? 心理療法を求めている方は,残念ながら催眠は心理療法としてはおすすめできません.暗示で症状が無くなることはまれですし,前世療法やトラウマ探しも同様に,解決には結びつきません.肩こりや冷え性を治すなんて,良くなった気がするだけです.治ってなんかいないです.記憶力は,私自身も試してみましたが,アップはしませんでした.
 コミュニケーションや営業のテクニックとかに,古典催眠は使えないですし,現代催眠は使えるようになるにはむつかしいでしょう.さらに言えば,社会心理学で実証な方法のほうが,催眠よりも理解でき使いやすいと考えます.あなたの目的に催眠が適切でしょうか?
 私が催眠を初めて,7年が経ちます.そこで何か良いものが得られたかというと,心理学への興味と知り合った友人だけでしょうか.催眠を何に生かしたらいいのか分かりません.まだ探してます.催眠の生かし方,そんな情報をお待ちしています.
 

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本に書いてないこと

 このブログや本サイトには,本には書いていないことが沢山あります.多くは私の経験からのものが多いです.本当は,もっと理論的なものを書きたいのですが,勉強不足です.催眠は実践も大事です.だから,このブログや私のHPも実践寄りでもとりあえずは良いと思います.しかし,実践だけでも足りないでしょう.もっと最新の催眠に関する論文とかを読んで,アップしていきたいです(英語だから読むの大変なんですよ).
 そんなこんなで実践派の私ですが,心がけていることがひとつあります.それは,思いこみで判断しないことです.催眠をやっていて,思いこみが沢山ありました.このブログやHPの多くは,自分が思いこんでいて失敗したことを書いてあります.それが,催眠をやっているひとに役に立てばいいと思っています.
 思いこみの例でおもしろいものを一つあげておきます.心理学では統計を使いますが,統計を使えば必ず正しい答えがでるとは限らないという例です.統計を使っても思いこみでへんてこな結果が出ます.「ハゲているひとほど収入が高い」という統計の結果が出たとします.これを使って「ハゲると収入が上がる」,「収入を上げるためには,ハゲればいい」というような理論をつくれるかもしれません.けど,これは実は違うのです.ハゲと収入が関係有るのではなくて,年齢と収入に関係があり,年齢が高い人ほど収入が高い,というのがひとつ.そして,ハゲと年齢が関係があり,年齢が高い人ほどハゲているのです.これが事実なのですが,一歩間違えるとハゲと収入が関係有るように見えてしまうのです.こういった間違えをして,新しい理論を作ったとしたら,それはとんでも理論と呼ばれます.催眠にはトンデモが多いかも.

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まごころの現場主義

 私は高校生の時に催眠に出会い,友人にかけまくって色々なことを試しました.上京してからは,オフ会に出かけ催眠仲間と練習会を開き,催眠の可能性を追求しました.様々な暗示や誘導技法を試し,催眠を使って自分の生活を楽しく幸せにしていこうと思っていました.催眠と簡単な心理学の本を読んで,自分が心理学に詳しいつもりになっていました.友達の悩みを催眠で解消しようとしたりもしました.そして,自分の催眠理論を完成させ,専門家のような気になっていました.理論よりも実践.気にくわない心理学の理論や,実験を否定しまくってました.
 今考えると,ものすごく恥ずかしいです.催眠が出来ることと,心理学を知っていることは全くの別物です.催眠が出来ることで,心理学を知った気になってた私でしたが,私がやっていた催眠や,考えていた催眠の理論は,全く心理学ではなかったのです.そして,自分の勘違いを反省し,心理学を基礎から勉強しました.
 勉強してみて,現場主義,実践重視だった自分の危なさが分かりました.遊びで催眠をやるならまだ良いのですが,友達の心理的な相談を,心理学の知識なしにカウンセラーのまねごとをした自分.それは,ゲームセンターのレーシングゲームが上手いから,実際のレースも出来るだろうみたいな,危険な勘違いでした.ゲームと現実を混同することはあまり無いですが,催眠は勘違いしやすいです.私はその勘違いから抜け出せて良かったと思っています.

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可能性と出来ること

 禁煙やダイエットが催眠で可能だ,と宣伝しているHPは少なくありません.しかし,心理学や精神医学の実験でその効果は未だ実証されていません.催眠の話をしているときに,こういった実験の話をすると,「けど可能性はあるよね」と言われます.そう言われたら,私も「そうかもしれない」としか答えられません.
 催眠についての誤解は,可能性と実際に出来る事を混同することから起きると思います.催眠という現象はあります.一見すると不思議に思いますが,実際に出来ることは一般の人が思っているほど多くはないのです.しかし,皆催眠の不思議さに目がくらみ,すごい事が出来ると思ってしまいます.そして可能性の話をしはじめるのですが,それがやがて可能性の域を出て,まるで「出来ること」のようになってしまっています.ここは,一つ冷静になって実際に出来ることを考えていかなくてはと,私は思います.

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催眠は××だ

 と言うようなセリフを見かけます.しかし,前回の記事で書いたように,催眠という言葉は幅広い意味を持っています.さらに,××の部分に幅広い意味を持った物を入れると,全部成立します.例えば,「催眠は爆発だ」「催眠はこころだ」「催眠はコミュニケーションだ」「催眠は愛だ」「催眠は人間だ」とか.どれも何となくそれっぽくないですか?
 細かい言葉の定義なんて催眠に必要ない,なんて言われたことがありますが,私はやっぱり重要だと思います.曖昧な言葉で濁しているようにしか思えません.催眠を正しく理解し,有効に利用するためには,こういった議論は必須だと思います.

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催眠とは

 「催眠」という言葉の使い方について今回は書きたいと思います.催眠ってのは便利な言葉で,その時によって使い分けが出来ます.それによって,この世は全て催眠に成ってしまいます.
 一般的な意味での催眠は,テレビで見るショーのあれです.催眠をかける人が居て,かけられる人が居て,暗示の通りに本人の意志と関係なく行動してしまう.しかし,実際の催眠にはもう少し幅があります.普通の意識とは違う状態になること.つまり,変性意識やトランス状態の事を催眠と言うことがあります.それによって,映画を見ているとき,小説を読んでいるとき,つまらない講義を聴いている時も催眠状態と言ってしまいます.他には,コマーシャルフィルムや広告の言葉とかも,無意識に影響を与えるからと,催眠と呼び始めます.そして,さらに解釈を拡大して行き,無意識に影響を与えることが全て催眠だ,となります.ここまでいくと,普通の会話も実は暗示効果があって催眠だと言うようなことになってしまいます.
 どの使い方も,その時によっては催眠だと言えますが,これを混同して使うと困ったことが起きます.例えば,催眠ショーの催眠を求めてくる人に対し,変性意識の事を催眠だとして説明します.前者の催眠は,かかる人は限られていますが,後者の催眠は誰でも成ります.そこで「誰でも催眠になるんですよ」と言われたとして,ショー催眠を求めている人が催眠にかからなかったときに,「誰でも催眠にならないじゃないか」と思ってしまいますよね.
 このように,催眠と一言で言っても幅広い意味があり,どの意味で使っているのか気をつけないと,誤解が生じることがあります.この誤解を,わざと利用しているの人も一部いるので気をつけてください.

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マジックと超能力の関係

 不思議な現象があります.スプーンが曲がったり,透視をしたり.それをマジックでやる人たちがいます.マジシャンですね.それを超能力だと言ってやる人がいます.自称超能力者ですね.私が素朴に考えるなら,超能力はあるかないか分からないです.マジックは,種も仕掛けもあります.
 さて,催眠と心理学と似非心理学は,上記の不思議現象とマジックと超能力の関係に似ていると感じます.催眠という現象はあります.それを説明する立場に,科学である心理学と,科学でない偽心理学.しかし,マジックと超能力とは決定的に違うことがあります.疑似心理学は,心理学によって否定されていることが沢山あります.潜在意識と顕在意識があって,潜在意識に暗示を入れる? それっぽいけど,心理学ではないですね,これ.

※疑似心理学:心理学っぽいけど,実は心理学ではない物.

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クリティカル

 クリティカルと言われると,ファイナルファンタジーシリーズを思い出してしまうのは,私だけではないと思います.しかし,ここでのクリティカルは,クリティカルシンキングのクリティカルです.
 クリティカルシンキングとは,簡単に言うと論理思考とでも言いましょうか.普段我々が何気なく生活していると,いろいろな間違った推論をすることが沢山あります.それを,立ち止まって考える方法がこのクリティカルシンキングです.
 クリティカルでない考え方であるノンクリティカルシンキングにもいくつか種類があります.今日は「後知恵バイアス」という物について考えたいと思います.これの,一番の典型はスポーツ番組の解説です.スポーツの結果を知っている人が,それを解説した場合,さも最初からそう予想していたかのように語ることが多々あります.あなたも身に覚え有りませんか? 前評判では劣性だったチームが勝ったとき特に強く考えてなかったのに「私は,そっちが勝つとおもってたよ」と言ったこと有りませんか? 私も良くやってしまうんですが,その時はふと立ち止まって「本当にそう思ってたか?」と自分に問いなおしてみます.
 さて,催眠誘導に関してこの後知恵バイアス(だけではないですけど)が働いている人を沢山見ます.催眠に失敗したときに「かからないって思ってたんだけど,頼まれたからね」とか.逆に成功したら「この手のタイプはかかりやすいんですよ」とか.結果が出てから,さもそれを知っていたかのように言い出す人たち.見ていて首を傾げることが沢山あります.催眠を上達したいなら,クリティカルシンキングは必須だと私は考えます.

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プラシボ

 プラシボ効果というのをご存じでしょうか.小麦粉を風邪薬だと言って与えても,患者は症状が良くなるという物である.またの名を偽薬効果とも言います.
 催眠の現象において,実はプラシボ効果だったという物は少なくないと私は考えます.つまり,本当に催眠にかかっていたわけではなく,そう思いこんでいたというだけという事です.これの例をテレビで見たことがあります.食べ物の好き嫌いがあるタレントに,催眠療法でそれを治そうという企画がありました.実はそこに出てきた催眠療法師は偽物だった,という物でです.その企画では,最初にそのタレントを信用させるために,偽催眠療法師が催眠で幼稚園児の好き嫌いを治したVTRを見せました.その次に,そのタレントに偽の催眠療法師が偽の催眠誘導で偽の催眠療法をやったのですが,見事にそのタレントは好き嫌いが治ったのです!!
 偽催眠療法師は,布団屋でした.まったく催眠について知らない人でした.それでも,それらしい事をやると偽催眠療法が成り立ってしまう.このように,プラシボという物は実に強力に働く場合があります.それを知らないととんでも無い間違いを犯してしまいます.それは,催眠を覚えたばかりの人が,催眠を使って心理療法のまねごとをしたところ,プラシボ効果で治ってしまったのを自分が催眠で治したと勘違いしてしまうと言うことです.こういう人って多いだろうなあ,と個人的に思ったりします.
 心理学や精神医学では,本当にその方法に効果があるかどうかを調べるときは,プラシボ効果を考慮に入れて実験をします.二重盲検法と言ったりします.名前はどうでも良いのですが,心理学や精神医学の実験結果はそう言ったプラシボ効果や思いこみを出来るだけ排除して行われたものです.そう言った方法論が科学と言っても良いかも知れないと思います.私は科学的でありたいなあ,と思います.

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全ての催眠は自己催眠

 という様な発言を良く聞きます.先ずはこれについて考えてみたいと思います.どういった時にこういう発言を聞くかというと,催眠の説明の時と催眠にかからなかった時でしょうか.前者は,催眠の良くある誤解である「操られる」というのを払拭するために,催眠は結局自己催眠であり本人がやりたくないことはしない,という事でした.後者は催眠にかからないときに,催眠は自己催眠であって誰でもかかるんですがそれ故に協力がないとかからないのです,という事でした.これらは本当でしょうか?

 催眠の現象のほとんど全てが,被験者の行動や報告によって確認されます.椅子から立てなくなるのも,幻覚を見るのも被験者がそう言っているからです.つまり,被験者本人の中でしか,催眠の現象は起きていません.催眠をかける人は,それを周りの人に確認させるために,被験者にそれらしい行動を取るように指示します.例えば,5という数字を忘れさせる暗示をかけたら,1から10まで数を数えてくださいと指示します.その結果,5を数えなかったりしたら,催眠にかかっていると周りの人は知るわけですが,もし被験者が演技でそれをしていても演技だと知ることは困難です.そう言うわけで,最終的に本人が催眠にかかっている行動を選択するという意味では,自己催眠とも言えなくはないですがどうでしょう.

 催眠の全てが自己催眠なら他者催眠なんて必要ないですよね.しかし,実際の所は自己催眠で幻覚が見れる人は極少数で,他者催眠だとある程度は見られたりします.これについて,自己催眠と他者催眠の関係をマッサージにたとえる人がいる,他人にマッサージされると自分でやるより気持ちいいということらしい.だけど,マッサージの効果としては血行が良くなるなら他人がやろうが自分がやろうが,同じはずですよね.催眠だって,他人にやってもらっても自分でやっても気持ちよさは違えど効果は同じじゃなきゃ,マッサージの比喩は正しくないですよね.えっ? 気持ちよさが重要? そう言うことなら,それで良いんですけどね.実際の所,自己催眠よりも他者催眠の方が,出来ることが沢山あるのはあきらかで,全ては究極は自己催眠というのには疑問を感じるのです.

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落ちる? 失神?

催眠サイトを見ていると,催眠で「落とす」とか「失神させる」という話を目にします.ここで,勘違いする人が多いようなので,今回はそれについて書きます.

 失神とは,意識を失うことですが,催眠誘導で,目をつぶり,ぐったりしている状態でも,意識はあります.これは,催眠の常識です.そもそも,意識がなくなったら催眠ではないです.

 催眠で「落とす」という動画を見たことがあります.しかし,落とした後に「5つ数えると戻ってきます」と言って被験者が目を覚まします.本当に失神していたら,言葉をかけても起きません.聞こえるはずがないですから.この反証を持ってしても,催眠で「失神」とか「落ちる」という場合,実際は,「失神しているように見える状態」である事が言えると思います.もちろん,やっている人は分かっているんだと思います.要するに,比喩って言うのでしょうか,失神を例えにしているのでしょうけど,催眠で,相手を失神させらられると勘違いをする人が出るでしょう.商売の戦略としてなのかもしれませんが…….

 コラムに書いてますが,催眠のイメージの典型で「だんだん眠くなる」と言うのがありますが,これは,瞼が閉じてくるという「暗示」そして,トランス状態の「暗示」なのです.そう言う意味では,「失神」や「落ちる」というのは,瞬間催眠において,効果的な「暗示」になるかも知れません.(しかし,意識はありますよ)

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催眠を徹底解剖!?

 コラムのまとめみたいなものです.催眠術はトランス状態である.しかし,トランス状態=催眠術ではない.トランスには,誰でもなるが,催眠術は全員にかからない.これが,古典催眠と現代催眠の違いですね.

 つまり,催眠術とは「トランス」+「暗示行動(不随意運動)」なんですね.被験者が,そう思っていないのに体が動くという不随意な現象.それが,みんなが思う催眠術なのでしょう.私は,トランスになることは出来ますが,不随意な行動は起きません.トランス状態で「手が開かなくなる」と言われても,あなたの言うとおりになんてなりたくない,という意識が出てきます.これは,むしろトランスだからそう思います.人によっては,「手が開かなくなる」くらいどうでも良いと思う器の大きい人もいるでしょう.トランスだと,そういった事はどうでも良くなる傾向があります.そう言う人が,催眠術にかかりやすい人なのでしょう.(ただし,そう思える状況と相手によりますよね)しかし,やはり人によってどうでも良いと思える範囲があります.かかりがよいからと言って何でも出来るわけではないです.

  現代催眠は,不随意な運動を起こすことを目標としていません.相手に変化を与えることを主題としています.

  ある時,友人と催眠の話題を話しながら,現代催眠の手法を使いました.そして,ある程度のところで現代催眠を使っていた,と言うことをばらしましたが,相手は気づいていませんでした.しかし,私の暗示通りに行動してました.もちろん,私の現代催眠が効いたかどうか確かめる術はないです.もともとそう言う行動をしたのかもしれません.

  現代催眠は,相手の思考に種をまく感じです.それが,相手の土壌に適応したら芽を出し花を咲かせるでしょう.「これをやったら,必ずそうなる」という方法ではないのです.相手を尊重する方法でもあります.催眠術で操ってやろう,とはある意味対極にある方法ですね.しかし,実際使ってみると強い影響力はあります.そして,日常でも使えるのです.それが一番良いところだと思います.催眠術は,例えかかる人がいても,使える場所は限られていますからね.

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催眠のまとめ

催眠術の基本.

 かかる人にしかかからない(重要!!).だから,かかる人にかける.生理的反応+観念運動を使うのが一番ベーシック.

「生理的反応:筋肉や骨格などの性質で,当たり前にそうなってしまう反応」
・指を互い違いに組んで,腕を伸ばすと手がはずれにくい.
・指を互いに組んで,人差し指だけ伸ばし,人差し指の先を離すとくっついてしまう.
・かかとをそろえて立ち,上を見ると重心が後ろ気味になり,倒れやすくなる.


「観念運動:イメージすると体が反応する事」
・振り子を持って,目を動かすとその方向に振り子が動く.
・振り子を持って,動くイメージをすると振り子が動く.
・目をつぶり,手を浮かせて,その手に風船がついているとイメージすると手が浮く.
・同じように,てに思いものがあると想像すると手が下がる.
・レモンを想像するとつばが出る.


 例えば,「後倒法」は「かかとをそろえて,上を向いた不安定な状態」という生理的反応と「後ろに引っ張られます」という,催眠者の言葉のイメージによる観念運動が混ざって,暗示どおりに後ろに倒れてくる.さらに,後ろに倒れるという状態がトランス状態にさせるのだが,それはまた別の話.

 当たり前の反応を,催眠者によって引き起こされたと錯覚させる事が催眠術の基本.

 この通りやって,出来ない場合は,先ずは被験者のかかりの良さを疑いましょう.被験者がかかりが良いと言うことならば,自分の方法を省みましょう.考えるべき箇所は,
1.発声がスムーズか
2.相手に合わせて言葉を発しているか
他にもありますが,最低限ここをクリアすると,かかりのいい人は誘導できるのではないでしょうか?

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瞬間催眠

 たかおさんという方から「瞬間催眠について詳しく教えてください」というリクエストがあったので,とりあえず,掲示板に書きます.

 さて,「催眠のウソ・ホント」にも書きましたが,瞬間催眠はあります.一度催眠にかかった経験がある人ならば簡単です.そうでない場合でも,かかりの良い人ならば,出来るでしょう.逆に,催眠にかからない人には,まったく意味がありません.割合的には,以下の通りでしょう.

1割 催眠にかかったことがなくても,素早く誘導される
1割 一度催眠にかかれば,次からは瞬間的に催眠になれる.
1割 ゆっくり時間をかけて催眠にかかる
7割 ほとんど催眠にはかからない


 この割合は,状況によって変わります.例えば,テレビの撮影なら,かかる割合が増えますが,街で人混みの中では,逆に減るでしょう(当たり前ですが,誰も言いませんよね).

 一度深く催眠にかかったことのある人で催眠に不快感を持っていない人ならば,簡単なきっかけでも瞬間に催眠になります.それを,気だとか念力だとかで説明する人もいれば(笑),独自の理論で説明する人も居ますが,私は学習で説明しています.自転車に乗れるようになるのに,最初は大変ですが,覚えると何も考えずに乗れますよね?それと同じで,人間には学習する機能があります.催眠状態を一度学習すれば,次にそれになるのは簡単です.瞬間催眠の多くは,それを利用しています.きっかけの作り方は,色々あるでしょうから,基本的にそのバリエーションでしょう.よく使われるのは,驚愕法で,手を叩いたり,指を鳴らしたり等です.他にも色々考えられるので,出来る人は試してみてください.ただし,超能力だとか,自分の催眠の技術がすごいんだとか錯覚しないようにしてくださいね(笑

 しかし,技術以上に状況が大事です.催眠番組の撮影や,催眠オフ会という状況は,それ自体がかかりやすい状況を作っています.同じ事を,会社,学校でやっても全く効かないでしょう.多くの催眠HPは,それについて言及していません.それは何故でしょうね?

 瞬間催眠を見たら,先ず被験者が過去に催眠にかかったことがあるか? もしくは事前に被験性が高いことが分かっていなかったか? そして,その状況は催眠にかかりやすい状況か? を見てみてください.例外を見つけたら,是非報告をお待ちしています.研究してみたいと思います.

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催眠の深さ

 リクエストがあったのと,ちょうど私自身書きたかったので,今回は「催眠の深さ」について書いてみたいと思う.
 催眠が深い方が良い,という考え方は,古典催眠のものである.運動支配は軽い催眠で,感覚支配が中程度の催眠,そして,記憶支配が深い催眠である,と言うのである.確かに,古典催眠の研究に置いて,催眠深度というのは,実際にどういう暗示に反応するかで決めていた.
 現代催眠ではどうだろう? 現代催眠は,催眠の深さというものにこだわって居ない.影響が与えられれば良いし,変化が起きれば良いのである.しかし,だからといって現代催眠に出来ることが限られているというわけではない.
 エリクソンの後期のデモンストレーションのビデオを見たことがある.後期のエリクソンは,無駄がなく一瞬で被験者を催眠に入れてしまう.しかも,古典のような儀式的な誘導ではない.誘導し始めて,数分,被験者は一度も目を閉じていないし,古典催眠の深化のような言葉もかけていないのに,幻覚を見たのである.つまり,幻覚を見るのが深い催眠だ,という古典催眠の考え方と違う現象が起きたのだ.
 それ以来,私は深化に対して考え方が変わり,幻覚を見せようと必死に深化させている古典催眠を見ると,首を傾げてしまう.得てして,そう言う人が「先生」と呼ばれたりしている,催眠業界にも,同じように傾げたくなる.

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ラポール

催眠で重要なのにラポールというものがある。催眠に失敗したら、ラポールが崩れた、というのを理由にする人がいる。確かに、その通りだと思うこともあるが、その発言をした人はラポールが何だか分かっているのだろうか? 今回は「暗示」に続き、催眠の重要な要素であるラポールについて再考してみたい。
 少し前に、誘導をする機会があった。催眠を体験してみたいから、と友人に言われ、彼のために誘導した。本来、誘導だけを目的にした誘導はしないのだが、彼にとって催眠体験は色々考える機会を与えるだろうと思い、誘導をした。
 エリクソンがデモンストレーションで使った、握手の催眠をした。方法は、握手をして、手が固まるという「暗示」をするだけである。少し特別な握手の仕方で、さらに「暗示」は「固まります」といった指示ではない。しかし、普通に見ていたら、ゆっくりと握手をして三言くらいで手が固まるのである。これまでも何度かやっていたが、その時はまだ未熟でテクニックに気をとられていたが、今回はゆっくりと観察できた。そこで気づいたのが、ラポールである。この誘導は、ラポールがないと出来ないであろう。否、すべての誘導はラポールがないと成立しないと感じた。
 催眠術のテキストで「極意は被験性の高い人にしかかけないこと」と書いたが、被験性が高い=ラポールを積極的にとってくれる人、と再定義したい。被験性が高い人は、皆相手からから積極的にラポールをとってくれるのである。だから、催眠者がラポールをとるのが下手でも誘導できるのである。これは、すごい重要なことだと思った。
 さて、ここからが本題。被験性=ラポールを積極にとる人、なのは良いとして、結局ラポールとは何なのか? 私は、ラポールとは、被験者が催眠者から受ける影響の度合いだと思う。例えるなら、小さい子どもと親の関係とか、恋人同士(ラポールのない親子や恋人同士もいる、以下から例外は言及しない)とかである。ただし、これには二つの種類あると思う。一つは、権威的なラポールである。先程の、親と子もしくは、先生と生徒みたいな関係である。尊敬している先生の行動や発言からは、生徒は影響力を受ける。もう一つのラポールは、対等な立場のラポールである。恋人同士だったり、尊敬しあえる友達だったり。
 催眠術におけるラポールは、前者を使うようである。例えば、指の開閉はトリックがあるのに、それをさも言葉通りになっているように見せて、権威をつけるのである。それにより、権威ラポールをとる。しかし、権威的ラポールは、反発する人がいる。例えば、私みたいな人間は、権威的なことをされても、何も反応しない。それどころか、嫌な気持ちになる。そう、私が現代催眠や催眠から離れていったのは、そういった権威的なラポールの取り方が嫌だったからだろう。それを先述した誘導の時に気づいた。
 権威的ラポールは、反発する人が多い。その反対のラポール――友好的ラポールとでも言おうか――をとれるようになりたい。そうすれば、100%の人を誘導できるだろうし、もっと根本的に、誘導すら必要なくなるだろう。 では、どうすれば友好的ラポールがとれるのか? これだけで、本一冊書けそうなお題である。もし、かければそのうち書きたいと思う。

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バイアス

催眠の話題が続いたので、今回は心理学の話題である。心理学は、沢山の分野からなっていて簡単に書くと、

発達心理学
社会心理学
比較心理学
個人差心理学
認知心理学
生物心理学
健康心理学
組織心理学

 などがある。上記のような沢山の中から今回は「認知心理学」を取り上げてみたいと思う。
 認知心理学は、1967年にナイサーが『認知心理学』を出版したのを起点と見ることが出来るかもしれないが、実際は認知の問題はそれより前から心理学において議論されていた。
 認知心理学における「認知」とは「感覚器への入力情報が変化、減少、精緻化、蓄積、回復され使われる」課程であり、「人間がおそらく行うであろうあらゆる事に関わっている」と定義されている。
 さて、認知心理学にはコラムとして書くには面白い話が沢山あるが、特に今回は「確証バイアス」について書こうと思う。「確証バイアス」とは、「ある事実を確かめようとするとき、反証を使わずに確認するデータを探す思考のバイアス」である。
 確証バイアスの有名な問題がある

カードには、片面には『数字』が、もう一つの面には『ローマ字』が書かれています。この4枚のカードにおいて、『もし、カードの片面にローマ字の母音(A,I,U,E,O)が書いてあれば、その裏面の数字は偶数である』というルールが成り立っているかどうかを調べるために、最小限どのカードをめくれば確かめることができるのか?

「A」「K」「4」「5」(カードだと思ってください)

 答えは書きませんが、46%の人が「A」と「4」を選択し、33%が「A」のみを選択しています(この二つは間違いです)。
 むつかしい事を言いたいのではなくて、つまり論理的に考えているつもりで、実のところ都合の良いデータしか集めてないことが多々あるという事が言いたいのです。
 催眠のHPを見ると、確証バイアスにかかっている人が沢山居ます。まるで科学的に証明されたかのように、都合の良い理論を集めて、鬼の首を取ったように騒いでいる人が居ます。これは、私自身も気をつけないといけないと思っています。そして、これを読んで居る人も気をつけてそれらのHPを読んでみる事をおすすめします。

 最後にある記事にリンクをして、今回のコラムを終えます。
斎藤環氏に聞く ゲーム脳の恐怖1

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エビデンス

  Evidence Based Medicineとは、根拠に元ずく医療という事である。催眠は、療法の一つとして使われることがあるが、そこにはエビデンスという要素が不可欠であると思う。
 ここに、一つのエビデンスを示す。

「禁煙のための催眠療法」

 否定的な結果である。だからといって、催眠が禁煙に全く効かないと簡単に結論づけるのは良くないと考える。しかし、催眠で禁煙をやるからには、この結果を知っておく必要はあるであろう。
 他にも、催眠で記憶力があがるとか、緊張しないとか色々と言われているが、根拠のある治療というのが、必要だと思う。
 臨床心理学に、「臨床の知」というのがある。経験主義とも言えるかも知れない。根拠はどうであれ、治れば良いという考えにも近いかも知れない。確かに、体が不調な人を前に、理屈をこねてもその人は治らないかも知れない。だからといって、根拠をないがしろにして良いというわけではないと思う。知識と技術は、どちらも重要である。催眠術をやる人たちは、たいがい技術優先、経験至上主義である人が多い。そういう人たちの話を聞いていると、綱渡りのような、危ない誘導をしている事がある。一歩間違えたら、被験者に悪影響が及ぶのでは無いかと思ってしまう。
 催眠をやるなら、最低限のエビデンスを身につけなくてはいけないと、私は思う。

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トランス

 前回の「催眠暗示」で書いたが、催眠術はトランス状態にすることである。しかし、実は催眠状態=トランス状態ではない。斎藤稔正『変性意識状態に関する研究』によると変性意識において起こる現象を、次のようにカテゴライズしている。

時間感覚の喪失
空間感覚の喪失
主観―客観の差の感覚の喪失
言語感覚の喪失
自己感覚の喪失
恍惚感
一時性
受動性
注意集中
宇宙識

(斎藤稔正『変性意識に関する研究』p.10-11から引用)

 催眠状態とは、トランス状態の中でも特に「主観―客観の感覚の喪失」と「受動性」がある時のことであると考える。トランスとは、催眠術以外にも薬物、瞑想、集中等から引き起こされるが、トランスになれば上のような特徴すべてが現れるわけではない。
 催眠術師が求めるトランスとは、主観―客観の感覚によって、催眠術師の言葉(暗示ではない)を、主観のように感じてしまう事と、受動性の高まりによって同じく言葉に素直に反応してしまう事だろう。そこに、催眠術の本質があると思われる。

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催眠暗示

「催眠暗示」

 催眠術において、非常に大きなウエイトを占めるのが暗示である。しかし、凝視法だとか回頭方等の技法に目を奪われがちで、おろそかにされがちでもあると思う。そこで、今回は暗示について再考してみたいと思う。

【暗示】あんじ (名)
(1)直接的にはっきりと示すのではなく、それとなく分かるように示すこと。また、その行為や物。
(2)〔心〕〔明治期には「あんし」〕知覚・観念・意図・行動などが、言葉その他のシンボルによって、理性に訴えることなく、伝達・受容される現象。また、そのための刺激となるもの。

(大辞林より)

 辞書的に言うと上記の通りであるが、催眠における暗示は辞書の意味とは違うように思える。例えば、

「このライタの炎を見ていると、だんだん瞼が重たくなってくる」

 催眠者が被験者にたいして求めてるのは、瞼が重くなることである。そして、言っている言葉は「瞼が重くなってくる」である。これの、どこが暗示なのであろうか? むしろ、明示であるし、指示でもある。これなら、最近全く聞かない「だんだん、眠たくなってくる」という台詞の方がよほど暗示的である。「眠たくなる」というのは、瞼が閉じてくるという比喩である。
 私が催眠術をする時は、上のような台詞は言わない。目をつぶってもらいたかったら、「瞼を閉じてください」と指示するし、深呼吸をして貰いたかったら「ゆっくりと息を吸って吐いてください」と言う。それは、大事なのは相手をトランス状態にする事であって、目を閉じて貰うことではないから。目を閉じると、視覚からの情報が遮断されるのでトランスに入りやすい。それが、そもそも目を閉じて貰う理由なのだが、それは何も誘導で閉じて貰う必要など何もない。指示して閉じて貰えばよい。どうしても誘導で目を閉じて貰わななくてはならないのなら別だが、そんなのはショー催眠以外ではあり得ない。もし、ショー以外で催眠術をやるなら、最初から相手には目を閉じて貰った方が、成功率は高いであろう。もちろん、ショーでも同じように目を閉じるのを指示してもかまわないと私は思うが。
 結局、催眠術における暗示は、暗示になっておらず、それを暗示だと思って使っている人を見ると、言葉に対して鈍感であると感じる。本当の暗示とは、もっと違うところにある。
 ただ、多くの催眠術師の言う「暗示」の定義は、実は「不随意な事を起こすための言葉」だと思う。それについては、「不随意」の時に書きたいと思う。

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